サトル.
「サトル」
『ランダル』
(あなた)
ダルから遠ざけろ遠ざけろと僕の頭の中で響く。
ダルは僕のものだから。
あなたがダルと喋っていることに腹が立つ。
あなたがダルに笑いかけていることに腹が立つ。
サ「ねぇ、ダルに近づかないでよ。」
カチカチと刃を出したカッターをあなたに向ける
ラ『あ!さとるん!、!見つけたー!!』
ダルがやってきて、刃をしまう。
ラ『もーさとるんってばあなたのこと好きなんだからー』
サ「はは...そんなことないよ、」
ギロリと光を無くしたような瞳があなたに向く。
そう、違うんだよ。
僕はダルが好きなんだ。大好きなんだ。
だからあなたに近づいて欲しくないんだよ。ダル。
サ「......ねえ、ダル、あなたは?」
ラ『たぶんね、あなたは今体調崩してるからこっちに来れていないんだよ!きっと他のおかしな世界に行ってるはずだね...』
サ「へえ、あなたいないんだ。」
「じゃあ今日は2人っきりだね!遊ぼうよ」
ラ『ふーん...さとるんあなたいなくても寂しいの?』
サ「は!?なんで!?僕はダルと2人っきりがいいんだ!逆にあなたがいなくて嬉しいくらいなのに!」
ラ『じゃあなんでそんなに元気無さそうなの?』
サ「え...?さぁ、気の所為じゃない?」
否定した。
完全に僕は<何かを>誤魔化している。
あなたがいないことに落ち着かない。
しかし、それは気の所為ということにした。
体調を崩していたあなたは、暫くサトル達の世界へ行けていなかった。
数日間あなたは、ぐにゃぐにゃした、何も無い、誰もいない...不安になるような場所にいた。
そのため眠ること自体に不安を覚えてしまった。
ルーサーが睡眠薬を調合してくれて、やっと快眠につくことができた。
数日間とはいえら3日間ほどのことだったが...
(あ、サトル)
サ「!...あぁ、いなくなってくれたと思ったのに、結局また来たんだね?」
(いや、こないだまでは体調崩してて...)
ヘラりと笑うあなた。
サ「そう」
(ランダルはまだ来てないんだね)
サ「キミの口からダルの名前を出さないでよ」
いつもの通りにカチカチとカッターの刃を出して来る。
あぁ、いつも通りのサトルだ。
不安よりも久しぶりに会えたこと、いつもと変わらないサトルに会えたことに安心してしまった。
こんな状況で安心するなんて、私も狂ってしまっているんだろう。
安心から、ポロリとあなたの大きな目から涙が零れた。
サ「え、は...?な..何、泣いてんの」
どうすれば良いかわからず自分が泣かせてしまった気がして咄嗟に抱きしめる。
サ「ダルが来たらめんどくさいから、早く泣きやめよ...」
(えと、いや、ごめん...サトルに会えて...サトルだなぁって...安心..しちゃって...)
サ「...意味...わかんないんだけど」
(体調悪かった時、とっても怖かった。いつもならランダルもサトルもいるのに、ぐにゃぐにゃした何も無くて、誰もいない所にいて...)
(...サトルに会いたかったの...ごめんね...サトルは会いたくなかったはずだけど...)
サ「...何だよ...」
(ごめんね...サトル...私、サトルが好きなのかも...)
サ「......は?」
......違う、僕はダルが好きなんだ。僕のすべてはダルなんだ...
自分の理解しきれない感情をそうやって誤魔化す。
サ「...僕は大っ嫌いだけどね。」
それでもあなたの肩に顔を疼くめ、強くなるあなたを抱き締める力は...
不可抗力、とか、言えない。











編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。