先に集合をかけていた葛葉と
渡会がウェンのことをいじっているのを
懐かしいな、なんて
思いながら笑う
「 ごめん 」
そう言いたかったのが分かって
ウェンの口を手で押さえた
そう言いながらも
胸の奥はまだ痛くて
でも、もう
許さないとか、自分で心閉ざすのは
あれっきり辞めることにしたから。
そう言って、手に持っていた携帯を
少しだけ強く握る
付け足すように
口を開いて
あの子だけは
アイツだけは
どう頑張ってもきっと
許すことができないから
私はやっぱり、
ちゃんとしたヒーローになんてなれない。
自分を上げるために
人を落とす。
私は完璧でもなんでもない
ただの一人の人間だから
そう笑ってから
一つの電話音を携帯から鳴らす
通話先は
___かつての「 ヒーロー組 」 へと。












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!