昔から、自分の感情を
そのまま口に出すことは苦手だった。
自分の弱みも
自分がしたいことも
遠回りにしか、伝えられなかった
ヒーローが、
私のそばにいてくれて
私の感情をいとも簡単に
理解してくれるのが嬉しくて
ずっと、続くなんて
思っていたわけではないのに。
それに、
分かっていたんだ
彼らはヒーロー。
私以外も分け隔てなく、
助けているって
私の感情を理解してくれなかった日に
勝手に離れて行ったのは私で
それでも、
ヒーローとしてじゃなく
私を守ろうとしてくれる葛葉を
突き放して
またヒーローの手を
借りようとした
そんなことを無地の枕に
問いかけたって答える訳はなくて
声だけが
すっと何事もなかったかのように消えていく
ガチャリ、と
何か空いた音がしたと思えば
それは、兄であり
ふと何かこみあげてくるものがある
数日会っていなかったような
そんな感じがするけど
暖かさはそのままで
足は勝手におにぃの方へ動いていく
__駄目だ
全部、思ってることが
あふれだしてしまう
嫌だよ、
もう忘れて別の場所にいれば
もっと楽だったかもなのに。
あぁ、おにぃにそんなこと言っても
意味ないのに。
傷つけるだけなのに__
なんでこうも、
私は人を__傷つけてしまうんだろう











編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!