深澤side
照はゆっくりと俺の腕から手を離し、俺の目をしっかり見ながら話し始めた。
岩本side
中学の頃、俺は人と関わるのが苦手だった。
小学校のときの友達はみんな新しい友達を作っていって、結果的に俺は1人になった。
最初は1人でも平気だった。
でも、周りをみると、1人の自分がなんだか悲しく思えてきて、
「 友達がほしい 」
そう思うようになった。
そんなある日、俺は、君と______ふっかと出会った。
中学のころのふっかは、今と変わらない白い肌に、サラサラな髪、綺麗な手。
あと、あの頃はコンタクトにしたくなかったらしく、眼鏡をかけていた。
最初は、いつも笑顔で優しくて、クラスの中心、ムードメーカー的存在の彼があまり好きではなかった。
俺とは真逆だったから。
でも、初めて彼が話しかけてきたとき、彼がみんなに好かれている理由がわかった気がした。
それから、俺は彼とよく話すようになり、気づけば毎日一緒にいるような関係になっていた。
やっと言えた。
ずっと言えなかった「 ありがとう 」。
1人だった俺の暗い世界に、太陽の光が差し込んできたように。
俺の世界は、黒から白へ反転した。
それは、紛れもなく、ふっかのおかげなんだ。
ふっかは恥ずかしそうに俯きながら返事をしてくれた。
ふっかの好きなもの、嫌いなもの、得意なこと、苦手なこと、そのくらいはわかりきっている。
でも、俺はふっかのことをまだ何も知らないと思う。
どうして、不思議な笑顔を見せるのか。
ふっかに今まで何があったのか。
他にもいっぱいある。
でも、それを全部、知りたい。
最後までご覧頂きありがとうございます🙇
皆さんお忘れかもしれませんが....実はまだ夏休み編です...!!🫠
でもだんだんと後半に突入しています!!
次回も是非ご覧下さい🫶🏻
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!