第32話

31.
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2024/02/28 11:00
深澤side
岩本照
「 友達が欲しかった 」だっけ?
岩本照
...それ、俺もだったんだよ。
深澤辰哉
....えっ...?
照はゆっくりと俺の腕から手を離し、俺の目をしっかり見ながら話し始めた。
岩本照
...俺が中学の頃、今よりも人見知りすごかったのは、知ってるでしょ?
深澤辰哉
.....うん、
岩本照
...俺、ふっかと出会うまで、ずっと1人だったんだ。
深澤辰哉
.....えっ?
岩本side
中学の頃、俺は人と関わるのが苦手だった。

小学校のときの友達はみんな新しい友達を作っていって、結果的に俺は1人になった。

最初は1人でも平気だった。

でも、周りをみると、1人の自分がなんだか悲しく思えてきて、

「 友達がほしい 」

そう思うようになった。



そんなある日、俺は、君と______ふっかと出会った。


中学のころのふっかは、今と変わらない白い肌に、サラサラな髪、綺麗な手。

あと、あの頃はコンタクトにしたくなかったらしく、眼鏡をかけていた。



最初は、いつも笑顔で優しくて、クラスの中心、ムードメーカー的存在の彼があまり好きではなかった。

俺とは真逆だったから。

でも、初めて彼が話しかけてきたとき、彼がみんなに好かれている理由がわかった気がした。



それから、俺は彼とよく話すようになり、気づけば毎日一緒にいるような関係になっていた。
岩本照
あんな俺の世界を変えてくれたのは、ふっか、君なんだよ。
岩本照
...多分、ふっかに出会っていなかったら、俺、今もずっと1人だったと思う。
岩本照
...だから、ありがとう。
やっと言えた。

ずっと言えなかった「 ありがとう 」。

1人だった俺の暗い世界に、太陽の光が差し込んできたように。

俺の世界は、黒から白へ反転した。

それは、紛れもなく、ふっかのおかげなんだ。
岩本照
...ありがとう、ふっか。
深澤辰哉
......ん、/ /
ふっかは恥ずかしそうに俯きながら返事をしてくれた。
岩本照
...ねぇ、ふっか。
深澤辰哉
....ん、?
岩本照
....俺、ふっかのこと、もっと知りたい。
ふっかの好きなもの、嫌いなもの、得意なこと、苦手なこと、そのくらいはわかりきっている。

でも、俺はふっかのことをまだ何も知らないと思う。


どうして、不思議な笑顔を見せるのか。

ふっかに今まで何があったのか。

他にもいっぱいある。

でも、それを全部、知りたい。
岩本照
...ねぇ、教えて?
最後までご覧頂きありがとうございます🙇

皆さんお忘れかもしれませんが....実はまだ夏休み編です...!!🫠

でもだんだんと後半に突入しています!!

次回も是非ご覧下さい🫶🏻

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