第34話

33.
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2024/03/05 11:00
深澤side
あのときの俺は、人を信じることが出来なくなっていた。

友達の笑顔をみるのも辛かった、苦しかった。

そんな自分も、大嫌いだった。

そんなある日、俺は照に出会ったんだ。
深澤辰哉
俺、クラスのみんなと話してたでしょ?
深澤辰哉
でも、同じクラスなのに、照だけは一度も話したことなくて。
深澤辰哉
話したことないから話してみたかったっていうのもあるんだけど、
深澤辰哉
照と話していなかったからこそ、照はなぜか怖く見えなくて。
他のみんなは、よく知っているからこそ、なにか変に思われてるんじゃないかって思っちゃって。

陰口言ってる奴らも、俺の事言ってるんじゃないかって、怖くなって。
深澤辰哉
...照を、信じてみたかった。
深澤辰哉
照に、助けて欲しかった。
深澤辰哉
...なんか変な理由かもしれないけど、照がよかったんだ。
深澤辰哉
...で、勇気出して話しかけたら、照めっちゃ優しい人だったから、嬉しくて。
深澤辰哉
...友達になって、って、言ったんだ。
『 友達に...なってくれない? 』

そう言えば、優しい笑顔で「 うん、よろしくね 」って言ってくれた照を思い出す。

その笑顔に、すごくキュンとして。

そのドキドキは、家に帰っても消えなかった。
深澤辰哉
照はさっき、「 ふっかのおかげ 」って言ったよね。
深澤辰哉
でも、俺が今こうして笑っていられるのは、照がいてくれるからだよ。
深澤辰哉
...今も、家族は変わっていないし、悲しい気持ちに押しつぶされそうになる日もある。
深澤辰哉
でも俺、照に出会ってから学校が楽しくなったんだ。
深澤辰哉
だから照、本当に、本当にありがとう。
なんか、また涙が出てきちゃいそう。

でも、あの真っ暗な世界を塗り替えてくれたのは、紛れもなく彼だ。

照は俺に、「 幸せ 」を教えてくれた人だった。


照は、照れくさそうに笑いながら急に立ち上がったと思えば、俺の事を優しくぎゅーってしてくれた。
岩本照
...話してくれてありがとう。
岩本照
...気づいてあげられなくてごめんね。
岩本照
...信じてくれて、ありがとう。
照のいい方があまりにも優しいから、また涙が溢れてくる。
深澤辰哉
...ふふっ、照、ありがと...グスッ
照は俺の涙で服が濡れるのも気にせずに、俺をぎゅーっと抱きしめて、背中をずっとさすってくれていた。
最後までご覧頂きありがとうございます🙇

ふっかさんの過去が明かされましたが...やっぱり暗くなっちゃう...苦手な方ごめんなさい...😓

でもだんだん2人に変化が出てくるので次回もお楽しみに🫶🏻

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