第21話

見捨テテ見ツケテサヨウナラ。
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2025/08/09 11:00 更新
チヒロ
チヒロ
ほら行きな。僕はここに残るから……さ。
ノゾミ
ノゾミ
……ふざけるな軟弱者!ここから出るって言ったのはお前たちだ。言葉の責任はしっかりとるべきだ!
チヒロはユーマの死体を見つめながら言った。

目が兵隊のように光がない。

チヒロ
チヒロ
もういいの。ていうか僕のこと無責任だって言うけどさ、人間なんてみんな無責任だよ。
ノゾミ
ノゾミ
でも俺、帰る場所知らな……
チヒロ
チヒロ
小雪さん知ってるんでしょ?屋敷の中にいるんだろうし探したら?
ノゾミ
ノゾミ
あ、あぁ……。
何も言い返せなかった。

そしてふと、チヒロの足をみる。
ノゾミ
ノゾミ
(鱗が足まで広がってる……)
呪いが進行している。

まずいな。時間が無い。

おれは、チヒロを見捨てて小雪たちを探すことにした。
ノゾミ
ノゾミ
あ、そうだチヒロ。最後に​───────
チヒロ
チヒロ
……やっぱ全部知ってたんだね。はい。
ノゾミ
ノゾミ
ありがとな
チヒロ
チヒロ
……何笑ってんの。キモイんだけど
俺は監獄の奥へ進んだ。

ずーっと、あの時の屋敷のままだ。
ノゾミ
ノゾミ
早く見つけないと……
ずーっと、嫌な思い出がこびりついている。

投げられた爆竹で瓦礫に下敷きになった。

お腹の痛みは忘れられない。
ノゾミ
ノゾミ
…くっそ…嫌なことばかり……
なんで屋敷なのだろう。

意味がわからない。



??
あら。間夫じゃない。何してるんだい?
??
ノゾミ!!!
思った以上に早く見つかった。

うるさいのが一緒だが。
小雪
小雪
計画は成功したのかい?
ノゾミ
ノゾミ
まあな。チヒロがユーマを刺した。
カグラ
カグラ
なっ……相棒……が……?
小雪
小雪
あら〜今の子は怖いわねぇ〜
ノゾミ
ノゾミ
ほんとだよあの馬鹿野郎共
ノゾミ
ノゾミ
……それでだ。現世に戻れる場所はどこだ。さっさと教えろ時間ないんだ。
小雪
小雪
はいはい教えるわ。



小雪
小雪
神社に行きなさい。ほら、あのあんた達が出会ったぷらねた……りうむ?が近くにある
ノゾミ
ノゾミ
あそこかよ
灯台もと暗しとはこの事か?
小雪
小雪
帰り方は教えたはずよね。
ノゾミ
ノゾミ
あぁ。覚えてる。
ノゾミ
ノゾミ
……2人とも。いろいろ手伝ってくれて感謝する。
小雪
小雪
大変だったんだよ?あんたら3人がここに来るように生者2人にいろいろ吹き込むの。成功したからいいんだけどねぇ。カグラがいなかったら失敗してたかもねぇ。
ノゾミ
ノゾミ
……じゃあな。2人とも元気で。
小雪
小雪
ハイハイ。
小雪は笑っていた。
カグラ
カグラ
ッおい……!
だがこいつは全てを壊す。

本当に邪魔だ。
ノゾミ
ノゾミ
なんだよ。時間ないんだよ。
カグラ
カグラ
……本当にこれでいいのか?
ノゾミ
ノゾミ
うるせえな。もう戻れないんだ。
カグラ
カグラ
そう…か…元気でな……
ノゾミ
ノゾミ
おう。
俺は2人と別れ、ルカが待つ上へと上がった。
ルカ
ルカ
ノゾミくん!……ってあれ?ちーちゃんは?
ノゾミ
ノゾミ
……ぶっ壊れた。ここに残るってよ。俺ここ出るからな。元気で。
ルカ
ルカ
うぇ?!探してる人もいないじゃないですか!!それに元気でって……!
ルカは俺の腕を引っ張った。

力強い。痛い。
ノゾミ
ノゾミ
だから俺、霊町ここから出るんだよチヒロの体使って。
ルカ
ルカ
……え。それっていいんですか……?その……妹さんはそれを希んでいるのでしょうか……?
ノゾミ
ノゾミ
仕方ないだろ!!こうするしかないんだ邪魔をするな!!!
ルカ
ルカ
!……
ルカはなにも言い返せなくなったのか黙り始めた。

チヒロの呪いの進行を思い出す。

俺はルカを置いて焦ってこの屋敷を出た。
ルカ
ルカ
ちょっと……ノゾミくん!!!
神社へ着いた。

緋色の鳥居にゴツゴツした卵型の石がある。

ここのはず。
ノゾミ
ノゾミ
はぁーっ……
ついに……ついに俺の望みが叶う。

そう思うと顔が赤くなり息が荒くなる。

俺は神社の鳥居にチヒロからくすねた鱗を1枚投げ捨て、それに続いて俺も鳥居の中をくぐった。
ノゾミ
ノゾミ
待っててね。幸子。

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