チヒロはユーマの死体を見つめながら言った。
目が兵隊のように光がない。
何も言い返せなかった。
そしてふと、チヒロの足をみる。
呪いが進行している。
まずいな。時間が無い。
おれは、チヒロを見捨てて小雪たちを探すことにした。
俺は監獄の奥へ進んだ。
ずーっと、あの時の屋敷のままだ。
ずーっと、嫌な思い出がこびりついている。
投げられた爆竹で瓦礫に下敷きになった。
お腹の痛みは忘れられない。
なんで屋敷なのだろう。
意味がわからない。
思った以上に早く見つかった。
うるさいのが一緒だが。
灯台もと暗しとはこの事か?
小雪は笑っていた。
だがこいつは全てを壊す。
本当に邪魔だ。
俺は2人と別れ、ルカが待つ上へと上がった。
ルカは俺の腕を引っ張った。
力強い。痛い。
ルカはなにも言い返せなくなったのか黙り始めた。
チヒロの呪いの進行を思い出す。
俺はルカを置いて焦ってこの屋敷を出た。
神社へ着いた。
緋色の鳥居にゴツゴツした卵型の石がある。
ここのはず。
ついに……ついに俺の望みが叶う。
そう思うと顔が赤くなり息が荒くなる。
俺は神社の鳥居にチヒロからくすねた鱗を1枚投げ捨て、それに続いて俺も鳥居の中をくぐった。

















編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。