第5話

衝撃
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2023/01/25 08:13
さてと
(仕事をする前にデータを確認しよう)
USBをパソコンに挿しこみ、ファイルを開く
...かぁわい
司の家族や幼馴染ぐらいしか知らないであろう幼少期の写真に思わず声に出てしまう
(これは家で撮ったやつ...こっちは家族旅行の写真かな)
(やっぱり司くんの顔が一際が輝いているなぁ...)
スマホにも転送しとこうかな
スマホに繋がったコードをパソコンに繋げ、転送画面を開く
転送している間に類はバックに様々な道具を入れる
(今日は路上ショーの日。どんなショーを見せようかな)
そうルンルンと考えながらショーの道具をせっせと入れる
ピコンッと転送完了の音が鳴る
うん。こっちも大丈夫そうだね
コードを抜き、スマホに転送できたかを確認する
その流れで幼い頃の写真をホーム画面の壁紙にする
...んふふふふ❤︎
ほんとにほんとに可愛すぎるよぉぉぉ〜〜〜!
(瑞希には少しだけ感謝しないとね)
...スゥハァ...
小さく深呼吸をつく
よし。行こうかな
バックを持ち、類は外へと出た













〜 大通り 〜
ガヤガヤガヤ
相変わらずここは賑わっているねぇ
口元だけ見えるキツネの仮面をつけ、フードも被り、完全に見た目がわからない格好をした類
さて、始めるとしようか!
















































パチパチパチパチ
お客1
兄ちゃん手品上手いなぁ。ほいチップだ
ありがとうございます
お客2
お兄さんそれどうやってやったの?僕にはできないこと?
大丈夫。これは誰でもできる簡単なことだから君でもできるさ
お客2
やったー!
お客3
いつも元気をもらってます...本当に面白かったわ
いえいえ。毎回見に来てくださりありがとうございます
ショーは終わり、その度に感謝などを言いに来てくれる人に対応する類
終わってからある程度時間が経つと、どんどん人の姿はなくなってく
んー!
のびーっと体を伸ばす類
(今日もある程度稼げたね)
(帰りに買い物しようかな)
そう考えながら片付けをしていると
???
あの
背後から声をかけてきた人がいた
聞き覚えのある声が類の耳に入っていく
それは毎日聞いていて、愛おしい声
(まさ...か?)
早く確認したいという想いを落ち着かせゆっくり後ろを向く
こんにちは
予想していた通り、そこには司がいた
そう。類は予想していたのだが...
うわああぁぁぁ!?!?!?
うおっ!?
(は?夢?夢なのか?推しが目の前にいる!?!?)
バチンッと思いっきり自分の頬を叩く類
え、え?
(いたい...)
(つまりこれは現実。えっじゃあ何で司くんが僕に話しかけにきたの??)
...
嬉しさと驚きのせいで言葉が出ずただ口がパクパクと動いた状態でいる
えっと...
邪魔、しましたか?
んえっ?
思わず声が裏返ってしまう
あぁ、いや!邪魔なんかじゃないよ!!
そうですか、ならよかった...
オレ、司と言います
(知っております)
アイドルをしているんです
(それも知っております)
...あの、いつも見てます
誰なのかはわかりませんが、本当にいつもかっこよくて...
オレ、まだまだパフォーマンスが未熟なので...
あなたのショーは、とても勉強になります!
本当に毎回コロコロと内容が変わり
お客さんの笑顔を絶やさせない、本当に素晴らしい事だと思いました!
これからも応援してます!!
やっと言えた...
ホッと息を吐き胸を撫で下ろす司
その様子を未だ驚きながら瞳孔を開いた状態で凝視する類
...
...フゥーーーーーーーーーーー
ありがとうございます
実を言うと僕、司さんのファンなんです
なっ!?そうなんですか!
はい。ですので、あなたから褒めてもらえてとても感激です
ですが安心してください
司さんはもう十分沢山の人の目を惹く輝かしい人ですよ
僕が保証します
...!
あなたに言われると...すごく嬉しいです!
ありがとうございます!
別にタメ口でも良いんですよ?
いやいやいや。尊敬する人にそのようなことは...
じゃあ僕が気にしてしまいます...
なるほど。わかりました
おっほん
じゃあこれからはタメ口でいくな!
そういえば、お前の名前はなんだ?
...
職業上、個人情報は言わないようにしているので教えることができません
そうか...じゃあオレはこれからお前のことをRUIと呼ぼう!
えっ...
実はな。オレのファンの中でRUIという名の奴がいるんだ
昔からそいつはオレのことを一途で推していてな...
RUIのツイを見ていると、お前と同じようにショーが大好きなんだ
もし嫌だったら変えるが...大丈夫か?
...えぇ、大丈夫ですよ
そうか!ならばまた来週オフだったらくるからなRUI
はい。是非またいらしてくださいね
もちろんだ!!






〜 類宅 〜
...
ドサッと大切な道具が入ってるはずのバックをベットの上に投げる
......
キッチンへふらふらと歩いて行き、コーヒを淹れようとお湯をカップに入れようとする
そして手にこぼす
あっっち!!!
それによってようやくハッとする類
先程までの類は心を無心にして冷静を装っていた
だがらこそ、今になってピシャーーンッッッッと司と関わったことを雷に打たれたかのように実感する
あ、あ、あ
うわああああああああぁ!!!!
ドタドタドタと部屋の中を駆け回る20代児
どうしようどうしようどうしよう
話しちゃった話しちゃった!!
変な匂いしなかったかな?言葉遣いとか不快じゃなかったかな???
ていうかずっと前から僕のショーを見てた!?!?
何で気づかなかったの僕ッッッッ
ばかっばかっばかぁぁぁ!!!!!!
あの、全て声に出てますよ...
司くんは僕のショーを見て喜んでくれた!
尊敬してくれた!!
知っていたけど、RUIとした僕もよく理解してる!!!!
僕、もう天に召されても良い気がする...
うふふ、あははは!
はは、は...
バタッ
スー...スー...スー...
嘘でしょあまりにも興奮しすぎて寝ちゃったよこの方

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