4月
新しいクラス。新しい担任。新しい学年。新しい環境。
校庭にある桜も満開に近づいていて、風に揺れる淡いピンク色がきれい
ぴかぴかの1年生ではなく、高校生活最後の3年生でもない高校2年生の春
私森野 萌衣の前にはいつも通りの日常。いつも通りの出来事がある
人気のない裏庭で私は名前も学年も顔も見た事のない男子と向き合っている
私は彼にはバレないように、裏庭から見える時計を横目で確認した
髪の毛を上手くセットした、爽やかな彼はさっきからずっと黙りこくっている
あーあ、もうこんな時間・・・
あと数分でチャイムはなり、始業式が始まってしまう
全校生徒は今頃、体育館できれいな列を組んでいるのだろう
もう絶対に間に合わないな〜
凛も清水も、心配してるだろうなぁ
そんな事を考えていると、ようやく目の前にいた彼が口を開いた
3年の・・・・・・鈴木 一樹
どこかで聞いたことあるような、ないような名前
・・・後で凛に聞いてみよ
すると決意を固めたような眼差しで
聞きなれた展開。聞き慣れた台詞。
そして私は、言い慣れた台詞を言う
少し悩む素振りをみせ、鈴木先輩は答えた
私は小さく頷いて、他には?という祈るような気持ちで、鈴木先輩を見つめる
意図を汲み取ってくれたのか、鈴木先輩は慌てながら何かを言おうとする
そう、︎︎ ︎︎ ︎︎"言おうとする"
大抵の人はもうここで、次の言葉が出てこない
少しでもこの先輩に期待した自分が、アホらしく思う
私はゆっくりと深く、頭を下げて言った
この瞬間は、いつも泣きたくなる
縋るような声に、頭を上げて頷く。
そう言う鈴木先輩に、首をふるふると振った
説得するように鈴木先輩が言う
説得されなくたって、本当はわかっていた
鈴木先輩の言う通り、私はある程度は可愛い
母親の美人を受け継いだからなのか
もう一度首を横に振ると、肩を強く掴まれた。
正直触らないで欲しいし、気持ち悪い
私はもう一度首を振った
そう言い残し鈴木先輩はふらふらと戻って行った
時計を見ると、既に始業式が始まっていた
ごめんなさい。投稿できてませんでした
𝕟𝕖𝕩𝕥➯➱➩不明












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!