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第2話

1.いつも通りの出来事
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2025/02/08 02:03 更新
4月
新しいクラス。新しい担任。新しい学年。新しい環境。
校庭にある桜も満開に近づいていて、風に揺れる淡いピンク色がきれい
ぴかぴかの1年生ではなく、高校生活最後の3年生でもない高校2年生の春
私森野 萌衣の前にはいつも通りの日常。いつも通りの出来事がある
 
人気のない裏庭で私は名前も学年も顔も見た事のない男子と向き合っている
私は彼にはバレないように、裏庭から見える時計を横目で確認した
髪の毛を上手くセットした、爽やかな彼はさっきからずっと黙りこくっている
 
あーあ、もうこんな時間・・・
 

あと数分でチャイムはなり、始業式が始まってしまう
全校生徒は今頃、体育館できれいな列を組んでいるのだろう
 
もう絶対に間に合わないな〜
Latte清水ウパパロンも、心配してるだろうなぁ
 
 
そんな事を考えていると、ようやく目の前にいた彼が口を開いた
 


鈴木先輩
俺、3年の鈴木 一樹って言うんだけど
3年の・・・・・・鈴木 一樹
どこかで聞いたことあるような、ないような名前
・・・後で凛に聞いてみよ



すると決意を固めたような眼差しで
鈴木先輩
俺、ずっと森野さんの事が、好きで

森野 萌衣
・・・・・・・・・はい


鈴木先輩
良かったらさ、俺と付き合ってくれない?


聞きなれた展開。聞き慣れた台詞。
そして私は、言い慣れた台詞を言う

森野 萌衣
鈴木先輩は・・・私のどこが好きなんですか?
少し悩む素振りをみせ、鈴木先輩は答えた

鈴木先輩
すごく可愛いのに、なんだかまじめな感じがいいなって思って

私は小さく頷いて、他には?という祈るような気持ちで、鈴木先輩を見つめる
意図を汲み取ってくれたのか、鈴木先輩は慌てながら何かを言おうとする

そう、︎︎ ︎︎ ︎︎"言おうとする"

大抵の人はもうここで、次の言葉が出てこない
少しでもこの先輩に期待した自分が、アホらしく思う

森野 萌衣
ごめんなさい

私はゆっくりと深く、頭を下げて言った
この瞬間は、いつも泣きたくなる


鈴木先輩
俺じゃだめってこと?

縋るような声に、頭を上げて頷く。

 
森野 萌衣
はい・・・本当にごめんなさい

鈴木先輩
どうしてもだめかな


森野 萌衣
はい。・・・・・・私鈴木先輩の事ぜんぜん知らないですし





鈴木先輩
そんなこと、これから知っていけばいい

そう言う鈴木先輩に、首をふるふると振った

森野 萌衣
私よりも可愛い子はたくさんいます
鈴木先輩
そんなことない、うちの学校では、森野さんが1番だ
鈴木先輩
俺だけじゃない、みんな言ってる
森野 萌衣
全然そんなことないですよ
鈴木先輩
森野さんは可愛いよ、自信もって


説得するように鈴木先輩が言う


説得されなくたって、本当はわかっていた

鈴木先輩の言う通り、私はある程度は可愛い
母親の美人を受け継いだからなのか
もう一度首を横に振ると、肩を強く掴まれた。
 




鈴木先輩
どうしても・・・だめ?



正直触らないで欲しいし、気持ち悪い
私はもう一度首を振った
鈴木先輩
ッ、そうか

そう言い残し鈴木先輩はふらふらと戻って行った

時計を見ると、既に始業式が始まっていた
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