第77話

75.
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2021/11/13 11:42





飲食店に入り席に着いた瞬間


体がぶるっと震える



『なんか、めっちゃ寒くね?』

阿部「そう、?」

『え、寒くない?』

阿部「俺はそんな気にならないけど」

『俺が寒がりなのかなっ、』



なんて言いながら


とりあえず腕をさすっておけば



深澤「はい、」



なんて、さらっと自分の着ていた上着を


かけてくれる深澤



『え、あ、いいよ、深澤も寒いでしょ、』



慌てて返そうとする俺を



深澤「着とけ、風邪ひいたら大変だし」



なんて言いながら、


俺に上着を着させてチャックまで閉められる


俺が小柄なせいか、深澤の上着はブカブカで


なんだか笑えてくる



『てか、これ大きすぎるよな、?』

阿部「ほんとだ、ワンピースみたいになってんじゃん」

深澤「ほんとだな」

『めっちゃ深澤の匂い』



上着の袖を鼻に近づけて


匂いを嗅ぎながらそう言う


やっぱり安心する匂いだと思った



深澤「あたりまえだろ、俺の上着なんだから」

『まあそうか、』

阿部「ちっちゃいふっかだね」

『この匂い、めっちゃ安心する』

深澤「何それ、」



なんて、いいながら笑う深澤


そんな深澤に合わせて俺も笑っておいた



『てかさ、今日のメインあの絶景じゃないんだよね、実は、』

阿部「え、どこ?」

深澤「えっ、まだあるの?」

『ちょっ、深澤口開けて喋んな!きたねぇよ!!』

深澤「ごめんごめん、」

『もう、しっかりしろよっ、』



俺が注意したあと、


水と一緒に一気に飲み込み



深澤「で、どこ、?」



そんなふたりに向かって



『今日のメインはね、星空なのっ、』



2人の反応を伺いながら


そう言ってみせる



阿部「えぇー、すごーい」

深澤「え、ここ星も見えるの?」

『うん、今日は天気も最高だから絶対綺麗だよ』

深澤「お前、完璧だな」

阿部「ね、さすが、」

『昨日の夜、急いでで予定考えたんだ』

深澤「恐ろしや」



なんていいながらびっくりしている2人


とりあえず喜んでもらえたことに


満足しながら


そのまま店を出た









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