前の話
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黄→高1、人間
青→高2、吸血鬼
流血表現有り、注意
_ATTENTION_
曲パロ、学パロ(?)流血表現あり。R-15?
黄→人間
青→吸血鬼
ジェットコースター展開です。初っ端から吸ってます。
♡♡♡♡
青side
「や"っ…!もう無理だって‼︎るぅとく…‼︎もう、吸えないッッ、、も、飲めない…‼︎」
僕はヴァンパイア。俗に言う吸血鬼だ。人々に忌み嫌われる存在だから今まで必死に正体を隠して生きてきた。
でもある日を境に学校の後輩で家のご近所さんである、るぅと君にその事がバレてしまった。
それからは何故かるぅと君は僕に『自分の血を吸う様に』と強要してくる様になり、今現在も僕は彼の血を無理矢理飲ませられている。
マジでなんなんだよ…
「いや、まだいけます。まだまだいける筈ですよ?ね、こ〜ろちゃん♡」
こいつおかしいんじゃないの…?
フルフルと怯える僕に笑顔でニコニコしながら肩を差し出し答えるるぅと君に僕は恐怖を覚える。
もう血を飲みすぎて辛い。頭がクラクラする。
もう嫌なんだ。無理なの。辛いんだよ…
普段からあまり血を飲まず、今まで石榴などの果実やチョコレートを食物として代用してきた僕にとってこの時間はまるで地獄の様な時間だった。
思わず喉からヒュッという音が出て、声が震える。
口からは相変わらず拒絶の言葉が溢れる。
「いや"ぁ⁉︎飲みたくないよぉ‼︎飲めないっ…てぇ…‼︎も、苦しッ…‼︎辛いぃ…!吸うのやッ…‼︎無理だよぉ…‼︎もうやめ、、ッんぐ‼︎⁉︎」
やめて、と言い終わる前にふに、と口に当たる肩の感触。
嗚呼、まただ。
また、無理矢理吸わされてしまったんだ。
思わず目から涙が零れ落ちる。
そんな僕を満足そうに見て微笑むるぅと君に僕は寒気を感じた。
「え〜?もう無理だなんて…全く、ころちゃんは悪い子ですね?♡それにせっかく僕の血を飲ませてあげてるのに…もっと喜んでよ」
そうニヤリと笑い僕の頭を撫でながらそう話するぅと君。
その彼の言葉に思わず、ピクリと反応し激しい衝撃と少しの怒りを覚える。
「ッ、はぁ…、ぅ"ぅ…んな事、喜べる訳ないだろ…ッ…!」
思わずギリッと歯を食いしばり、目の前の性悪男を睨め付ける。
それに悪い子だって…?僕が?どうして?
血を飲まないと悪い子なの?嘘だ…‼︎
そんな、訳が無い。ある筈が無い。
だって…ずっとずっと、僕はお母さんに言われ続けて来たんだ。
『人間から血を吸っちゃダメ』って。
『人間は非力だから優しくしなきゃダメ』だって。
言いつけを破る奴は"悪い子"なんだって。
其奴は死んだ後必ず地獄に堕ちるんだって。
だから、それが嫌だったから僕は必死に今まで言いつけを守って来たんだ。"悪い子"になら無い為に。地獄に堕とされない様に。
母さんや父さんが居なくなってからもずっとそれを守り続けた。
毎日味のしない食べ物や飲み物を本来の食物の代わりに口に放り込んで。日々耐え忍んで。
どうしても死にそうで我慢できない時は医療用の血液パックを飲んで。
空腹でどうにかなりそうな中でも、必死に頑張ってきた…必死に生きてたんだ。
いい子でいられる様に。
それなのに。
僕の十数年で培われて来た"いい子"は彼によって呆気なく、さも愉しげに崩された。
僕の努力は、ものの数秒であっという間に塵と化した。
そんなの…喜べない。喜べる、訳がない。
思わず悔しさに涙し、力を振り絞りるぅと君を睨みつける様にしながら引き剥がす。それでも彼の体はびくともしなかった。
それもそうだ。
僕は吸血鬼の癖に生まれつき力が弱かった。
力だけじゃない。羽だって、牙だって、目の色だって。何もかもが中途半端。
羽はすごく小さいしうまく飛ぶことは出来ない。
牙も小さくてあまり人から血を吸う事に特化して無い。
目の色も吸血鬼なら両目が赤色の筈なのに何故か僕だけ片方が青色なんだ。
普段は赤い方の目を眼帯で隠して、しかもそれに加えて僕は常に黒マスクを付けていたから、周りから散々『厨二病だw』ってからかわれてきた。
全てが中途半端で半端者な僕。
生まれた時から半端者の僕だったからせめて"いい子"ではいよう、此処まで育ててくれた両親の意思を継ごうと思っていたのに…なんで、どうして僕はこんなにもすぐ"悪い子"になってしまったんだろうか…?
彼の血をこんなに吸ってしまった今、もう僕は"いい子"にはなれない。きっと地獄行きだ。
ごめんなさい、母さん。ごめんなさい。僕は結局、言いつけを守れなかった。
どうしよう…これから僕はどうすれば…
…あ、そうだ。
どうせ、どうせもう悪い子なら…、もういい子には戻れないのなら…いっそ諦めてこの身を彼に委ねてしまおうか。
本能に身を任せて彼を喰らい尽くしてしまおうか?
それがいいだろう。だって現に彼は僕に"喰われたがっている"のだから。
そうだ。そうしてしまおう。
もう全てがどうでもいい。本能のまま彼を吸い尽くせ。
そうぼんやりと考えた時、ふと僕の目に入って来たのは
るぅと君の肩からダラダラと流れる血、血。
重症とも呼べる幾重にも重なった噛み跡、傷の穴。
…僕は、僕は今、一体何を考えていた?
何をしようとしていた?
彼を殺す?喰らい尽くす?なんて馬鹿な事を。
ダラダラと全身から冷たい汗が吹き出す。体が震える。
いくら彼が望んだ事だとしてもそれは立派な罪だ。重罪だ。
きっとそんな事になっては絶対、後々後悔する。
自分の不甲斐なさに、情けなさに発狂し、打ちひしがれ泣き喚き怒りながら懺悔する事になるだろう。
一生。この命が尽きるまで。
もしそんな事をしたら、そんな事態になってしまったなら、それこそ本当に僕は…
完璧な"悪い子"じゃないか。
思わず自分の思考に恐怖と吐き気を感じ、体を震わせながら僕は彼を自分から引き離し、叫んだ。
「…‼︎む、、ッりぃ…‼︎む、り、、‼︎そんな、の…喜べないッ…‼︎それ、にこれ以上吸ったらぁ、るぅとく、死んじゃぁ…‼︎グスッ、そん…なの、やッッ…、やだぁ…‼︎」
そう、るぅと君は人間。僕と違い呆気なく脆く、すぐ壊れてしまい寿命も吸血鬼と比べれば圧倒的に短い生き物。
僕みたいな吸血鬼にこんな大量に血を吸われては彼はきっと死んでしまう。
それは絶対に嫌だ。避けなくてはならない。
大事な後輩に…るぅと君に自分のせいで死んで欲しくない。るぅと君が居なくなっちゃうなんて…そんなの、嫌だ‼︎
まだしつこく僕に傷だらけ血塗れの肩を差し出す様にして吸わせようとする彼に顔を背け、嫌々と泣きやめてくれと懇願する。
赤子の様にしゃくり上げながら涙目で訴えたにも関わらず、彼の表情が変わる事はなかった。
ここで辞めた方が僕にも、彼にとっても絶対に賢明…な筈なのに。
何故彼はまだ僕の顔を無理矢理自分の肩に押し付けて、血を吸わせようとしているんだろうか。
「あはw僕の心配してくれてるんですか?ころちゃんは本当に優しいなぁw吸血鬼なのにまるで天使みたい♡」
そう、うっとりとした様子で僕を見つめ縋り付くかの様に恍惚な表情を浮かべるるぅと君に少したじろぐ。
天使?この何処が天使に見えるのだろうか。
目は赤く、漆黒の翼が生えていて今も彼の柔肌に牙を突き立てている僕の一体何処が。
これじゃあまるで天使というより悪魔だ。
「ふーッ…ふー…ッ、天使、じゃない…!」
そう僕が息も絶え絶えに反論すると、彼はさも可笑しそうにケラケラと笑った。
「勿論、わかってますとも!だって貴方は僕の可愛いヴァンパイアですから♡それに僕の事なら心配ありませんよ?だって僕は吸血鬼なら誰もが欲する"特異体質"ですからね」
そう彼が笑いながら話す事に、僕は疑問を抱いた。
「特異…体質…?ヒグッ」
泣きながら上擦った声で問いかける僕に、彼はええ!と嬉しそうな表情を浮かべ、話し出した。
「そうですよ。そこらの人間とは全然違う、特別な体なんですよ僕は」
「この体質のおかげで僕は貴方にどれだけ血を抜かれようとも、肉を抉り取られようとも全然へっちゃら‼︎どれだけ吸われてもいくら牙を肌に突き立てられようとも数分すれば治っちゃうんです。…ほら!」
そう彼が指差した肩は、先程まであった痛々しかった傷がまるで何事もなかったかの様にすっかり消えていた。
「へ…嘘…」
「ね、言ったでしょう?」
得意そうに、えへん!と此方を見てにっこりする彼。
「それより…僕気になる事があって…♡」
「なッ…に…?、ヒッグ」
「僕、知りたいんですよね。貴方の限界が。貴方がどれぐらい僕の血を取り込めるのか。どれだけ僕で満たされてくれるのか。」
彼の細く、人間にしては冷たい指先が僕の喉元に触れる。
ひた、ひた…とまるで僕の首を柔く締めるかの様に。
思わず「ヒュ…」と上がる呼吸音。
「ひっ…⁉︎僕…もッ、もう、限界…‼︎限界だよ、、‼︎」
顔を青ざめガタガタと震える僕に、彼は無慈悲にも天使の様な笑みで微笑みかけた。
「いいえ、まだいけますよ?ころちゃんは。まだまだ絶対いけます!僕の好奇心、興味関心…そして…愛。全てを貴方で試させて下さい?いっぱいで吐きたくなるまで、ずっと♡」
そう囁かれ僕はぎゅっと彼に抱き込まれる。彼の体温は指先はあんなに冷たかったのに、嘘みたいに温かかった。
「やぁだぁ、、⁉︎も、無理だって…‼︎も、吐く…‼吐いちゃぁ…⁉︎︎嫌だ、、たす…ッ助け、てッッ…‼︎」
ぼたぼたと涙を溢しながら嗚咽を漏らし嫌がる僕に彼悪魔はにっこりと笑いかける。
「ころちゃん、絶対いけますよ♡」
♡♡♡♡
黄side
「ッッ…ふぅ、、♡はぁ…んん、んくッ♡ゴクン」
ころちゃんはトロンとした表情のまま必死に僕の肩に歯を突き立てて、血を吸っている。あぁ、なんて可愛いのだろう。
彼の全てが愛おしい。
「ころちゃんたくさん飲めて偉いね、いい子だね♡」
そうえらいえらい♡褒めると彼はまるで幼子の様な笑みで目にハートを浮かべながら
「ッはぁ…ぷは、ん、へへ…♡はー…ッッ…僕…いいこ…?♡」
と、そう聞き返す。可愛すぎる。やはり貴方は僕の天使だ。
「うん、いいこいいこ♡」
そう彼に笑みを浮かべながら返すと彼は嬉しそうにしながらも僕にとても可愛らしい事を訴えかける。
「えへへ…♡るぅちゃ…僕、へんなの…おかしいの…ッ♡お腹いっぱいで苦しいのに、、吐いちゃいそうなのに、ッッ…たくさん、もっといっぱい…飲みたいの…♡」
そう相変わらず目にハートを浮かべたまま溶けそうな表情でこちらを見つめる彼。
その視線を受け止め、僕は思わずほくそ笑んだ。
あぁ、やっと堕ちた…♡
「そうなんだね…ねぇ、ころちゃん?」
まるで幼子をあやすかの様に、よしよしと彼を撫でた後、僕はそんな愛しの彼にそっと、悪魔の囁きの様に問いかけた。
「もっと…僕の欲しい…?♡」
それは、甘い甘い誘惑。
彼にとって、とてつもないご褒美。2人の、とびっきり甘い幸せ。
彼は一瞬ぽやぁ…とした後、先程の幼げな雰囲気から打って変わり妖艶な笑みを浮かべながら僕に囁いた。
「…もっと、るぅと君の…」
「欲し…ぃ♡」
やっと…やっと僕のものになってくれたんだね、ころちゃん♡
少し意地悪しちゃおうかな…?
「じゃあ…おねだり、して?」
思わずそう口を開くと彼は少し薄く目を見開いた後、直ぐに目を細めて僕に
「もっと、もっと…るぅちゃんの、僕にいっぱい…ちょうだい?♡」
と、幼い雰囲気でも年相応の色気を纏って誘う様に首をコテンと傾げおねだりをした。
そんな可愛い彼のおねだりに答えられない訳がない。
「お望みどおり♡」
そう答えると彼はふにゃあ、と嬉しそうに笑った。
嗚呼、愛しの可愛い可愛い…僕の天使
僕がもう無理って言える程、沢山いっぱい僕を求めて…愛してね?
僕のだ〜いすきな、ころちゃん♡
_君はヴァンパイア♡_end.
そのままpixivから持って来たので吹き出しありません、すみませんm(_ _)m











編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。