第5話

穢れた子供
152
2025/12/11 00:09 更新
悟side


五条
で、どうすんの?
五条
このガキんちょ
夏油
ガキ…あなたちゃんだろう?



あれから、なんやかんやで俺たちはあなたには勝てないと悟った。
俺ら最強が勝てないんじゃ、誰がやっても駄目だ。


それなら、「仲間に引き入れたほうが安心」

そう傑と話し合い、俺たちは仕方がなくコイツの友達に自ら申し出た。








あなた
えー、どうだろうねぇ?
あなた
ままは可哀想で
あなた
パパは…
五条
…おーい
あなた
あっ、強い!
あなた
強そう!
五条
なんか、俺したっけ
夏油
まぁ、ね。



家族について聞いた途端、数分黙りこくった挙句にこの有様だ。
自分の思考以外は全てシャットアウトしている。


けれど何故か、傑と俺と手をつないで離さなかった。
だが、ずっと手を繋いでいるのは俺の腰が痛いため、俺の服の裾を掴ませている。




あなた
あっ、!


急にあなたが叫んだ。
あなた
あった!
あなた
ままの特徴!
五条
おっ!なんだ!
あなた
ままは、男の人を沢山家に連れてくるの!
媚を売るのが上手だよ!
五条
はぁ?
あなた
あ、ままだ
五条
はぁ?!



そう言って走って行ったあなた。
ここら辺が、家だと言うが母親は滅多に家へ帰って来ないというから「居たらラッキー」
ぐらに思っていたのに、意外にもあっけなく見つけてしまった。


ごめんなさいっ、うちの子が迷惑かけちゃって…
夏油
いえいえ、こちらこそ。



どうせ、ケバくて、香水臭くて、常識のない親だと思っていたが
案外、清楚…いや、可愛い感じの母親だった。


まぁ、クラスに一人は居る、勉強が出来て「言う事聞いてくれそう」と言う理由でモテている女って感じだ。



五条
てか、そのガキ色々やらかしちゃってさー
五条
一旦俺らの方で預からないといけないんだけど
え?
この子がですか?
五条
おう。
夏油
悟!敬語!!
あ、あぁいいんです
なんですか?
また友達に酷いことしたんですか?
猫でも殺したんですか?
あなた
まま、違うよ
気持ち悪い事また言ったの?!
あなた
…言ってないよ
前から言ってるよね、アンタは普通じゃないの
必死に馬鹿なふりして、やっと今までの行動が「仕方がなかった」って言ってもらえるの




そう言って小さく、今この瞬間何よりも脆いあなたの肩を掴み話しかける母親。


だんだんと、母親が今まで取り繕っていたものが崩れて行くような姿であった。



悟sideEND



あなたside



ねぇ、わかってる?
アンタは喋っちゃいけないの




母親は、茶色い瞳をかっぴらいて私にそう言う。
するといきなり私の腕を引いて歩き出した。


あなた
えっ、まま、
あなた
さ、悟くんたちが…
いい、行くよ。
あ、そうだ。
ねえ、パパ来たでしょ。


ねえ、ママと約束したよね?
パパが来たら、ママはお仕事ですって言うの。
なんで「遊びに行ってる」なんて言ったの?
あなた
えっ、えっ、ぱぱが、噓つくなって…
あなた
えっ、ええ、悪いことしちゃった?
…これだからガキは嫌いなの!!!


そう言って叫ぶ母親。
こういう時。いつもなら黙っているけれど
五条
ちょ、お…


アンタは、汚いの!!!!!



静かな夕立に照らされた人気のないこの道で、母親は叫んだ。


覚えてないの?!
ほら、アンタが





















"汚いってコト!!!"












穢れ。それは私から離れることを知らない。
どんな石鹸でも、洗剤でも落ちることのない汚れ。


あなた
…ご、ごめん、ごめんなさっ、
あなた
ゆるっ、許してぇ
あなた
まま、まま…





馬鹿な振りをしているのは楽であった。
全てを解らないフリをしていれば誰もが諦めてくれるから。
解らなければ幸せだったから。



母親は他人であった。
けれど、結局腐っても母親であった。
彼女に縋らなければ生きて行けない。


そして、実に醜く、滑稽で、穢らわしい存在。
それは私であった。



ほら、行くよ


無造作に、欲望に塗れたその
自己中心的な手を差し伸べられる。


けれど、こういう時に限って優しさだと勘違いしてしまう私も結局、


あなた
うん、ぱぱに嘘ついたって言うね
そうして、今日はご飯抜き
あなた
…うん
五条
おい!あなたっ!
夏油
あなたちゃん…




ただの人間で、子供でしかないのだ。



狭苦しい世界の中で、親だけが全てなのだから。




no one can understand






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