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第9話

助け船
160
2023/06/14 12:00
助けてください。
今図体の大きな男二人に囲まれています。
派手な登場をかましたはいいものの、いざ話そうとすると口は動かないし多分いつも通り顔にも出てない!

いやはや人と話すのは苦手だしなんならずっと一人でいたほうが楽だとは思うけどこの仕打ちは酷くないか!?
宇髄天元
おい、こいつほんとに生きてんのか?
宇髄天元
なんも反応しねぇんだけど
めちゃくちゃ生きてるよ!!
てめーらが怖いんだよもっと歩み寄ってくれ!
しかも右のやつは
煉獄杏寿郎
よもや!ほんとに暗内少女は小さいな!
声でけぇよ!
鼓膜破れるわ!
宇髄天元
お前いくつだ?
あなた
13です
煉獄杏寿郎
13か!若いな!
だから声でけぇよ!
伊黒小芭内
13だと?
なんだよなんかヘビ巻いてる人きたんですけど!
そうだよ13だよなんか文句あっかよ!
伊黒小芭内
そんなやつが柱?
伊黒小芭内
俺は信用しない、認めない
伊黒小芭内
大体なんなんださっきから
伊黒小芭内
ろくに質問も答えられないのか
伊黒小芭内
ほんとにお前は強いのか?__
なんだよこいつネチネチしやがってこっちにはこっちの事情があんだよ!
私は3人の男たちに囲まれて質問を受け続けていた。
正直もうしんどい。帰りたい。誰か助けて…とそんなことを思っていると、
不死川実弥
おい、そこまでにしとけ
白髪…腕に傷跡…
もしかして…いや間違いない。この人はきっとあの時の人だ。
お礼を言わなきゃ、そう思ったが、うまく口が回らない。
ああ、やはりだめだ。
私は過去のことがあって以来、うまく話すことができない。
そのせいでたくさんの人に迷惑をかけてしまった。
柱になれば変われる、そんな淡い期待を抱いていたが、人間なんてそんなものだ。
そう簡単に過去のトラウマを乗り越えることも、今の自分を変えることもできやしない。
やはり、こんな私は柱にならない方がよかったのだろうか。

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