第32話

32.LOVE ME os編
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2024/06/08 03:15

エーミール
暇すぎるやろぉ

エーミールです。
ただいま車椅子に乗って適当に家中をぶらついています

書類も終わってしまったし、さっきご飯も食べたし…
オスマン
よぉよぉエーミール〜
エーミール
オスマンさん!
オスマン
久しいなぁ、俺のこと避けてたん?
エーミール
さ、避ける?たしかに最近バタバタしてオスマンさんには
オスマン
うっさ。言い訳聞きたいんじゃないんやで
エーミール
す、すみません

オスマンさんとはほんとに久しい。
部屋にこもっていたときも廊下で会うぐらいしか面識がなかったのです。
オスマン
怖がらんといて?

この方はちょっと……ちょっとだけおかしいんですよね…。
エーミール
………、
オスマン
なんて返そうか困ってるよな?笑
エーミール
なっ、そ、そそ、そんなこと
オスマン
へぇ。じゃあなんて言おうと?
オスマン
やっぱ怖がってた?
エーミール
え、えっと、

やばいやばい!なんとか機嫌を損ねない返答をしないと……!
エーミール
(怖いって言ったら…だめですよね!)
エーミール
怖くないです!



オスマン
ふぅん…

良かった怒ってない……


そう考えてたときにはもうすでに遅し。
首元に注射器がぷすりと刺さっていた。

エーミール
ぁ……、……

がくっと意識が手放された。


オスマン
即効性…さすがやくられせんせー






オスマン
おはよっ
エーミール
んんー…?

目の前にはニコニコしているオスマンさんが。
この部屋は……医務室…?
私はベッドで寝ていたようです。

オスマン
エミさん、俺のこと好きやろ?
エーミール
え?
オスマン
好きやろ?好きよな?な?な?
エーミール
え…あ、
オスマン
答えろ!
エーミール
す、すきです…
オスマン
まじで!?おっしゃぁ〜

圧がすごすぎてハイとしか言えなかった。  

このまま二人きりでいるのは怖いので
寝ている体を起こそうとすると
オスマン
逃げようとしてる?あかんで


そう言って私の腰辺りに座るオスマンさん
エーミール
(この構図どこかで…、)
オスマン
ところでエミさん。
アンタ最近色んなやつから好かれとるな
エーミール
え?そうですね、みんな優しくてありがたいです
オスマン
ほんとは?
エーミール
……え?

どういうことだろう。


「ほんと」…?
オスマン
ほんとはどう思ってるんやエーミール
エーミール
ほんとって……ありがたいのは本心です
オスマン
嘘つけ。あんだけ酷い仕打ちされてちょっと優しくしたらすんなり許すって……
オスマン
ははっ!俺やったら無理やなぁ、俺なら殺してるわ全員〜笑

エーミール
な、なにが言いたいんです…
オスマン
そりゃ、アンタがまじの大馬鹿ってことや!笑

な、なんやこの人……
ちょっとムカつきました…

エーミール
それを言いたいがために私を眠らせたんですか?
オスマン
それもあるけどな。
本題入ろか、そろそろ。








ドスッ


音が聞こえたと思ったらお腹に痛みが走る。

私のお腹に包丁が突き刺さっていた。
オスマン
死ね、エーミール
エーミール
………
エーミール
あはは、予想外です…
オスマン
……早く死ぬんや
エーミール
お腹じゃ死なないのは分かってるでしょう。心臓を刺せば確実なのに
オスマン
……じゃあな


オスマンさんはベッド下りてドアへと向かう。
オスマンさんが部屋を出るとき微かに聞こえた。



「ごめん」

エーミール
…やめてよ、ほんと。謝って逃げちゃうなんて姑息ですよぉ、もー…

服が血で滲んできた。
包丁を抜こうにも力が入らなくて。

エーミール
…寝よ



目を閉じ夢の世界へと行く。
多分帰ってこれるでしょ!多分!

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