第26話

# 才能なんてないから
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2024/05/02 15:25

私は放送室の扉を開く。


今は、昼休みだから、必ず誰かがいるはず。

放送委員の生徒
へッ、!?

中に入れば、放送委員の生徒がいたので。
その生徒から、マイクを勝手に奪う。
セイティス・あなた
みなさん、聞こえますかー!!

そして、放送委員の生徒からマイクを奪い、言葉を発する。
少し申し訳ないけれど、まぁ許して欲しい。
あとでなんかお菓子あげよう。ごめんね。
セイティス・あなた
音楽家代表家系、セイティス家の長女。
セイティス・あなたです!
セイティス・あなた
私は、明日、昼休み。
この学校の、中庭にて!!
セイティス・あなた
私の、演奏会を開きます!!

私がそう言い切ると、放送室付近の外から、放送を聞いたであろう生徒の、困惑と期待の声が聞こえた。
セイティス・あなた
来ても来なくても、どっちでもいいですが。
セイティス・あなた
来ないと損!!
以上!!!

ああ、こわい。
ほんの少しの、不安が、私の中でまた渦巻くけれど。


この不安よりも、私の音を披露する、楽しみさが勝った。

セイティス・あなた
それじゃ、ごめんね、放送委員さん。笑
放送委員の生徒
え"っ、あ、いや、。
放送委員の生徒
だっ、大丈夫、です、…?

私は、放送室をあとにした。


ダンタリオン・ダリ
お、きた、問題児。笑
セイティス・あなた
ダリ先生!

放送室からの帰り道、廊下を歩いていると。
ダリ先生に声をかけられた。

これは、怒られるかも。
ダンタリオン・ダリ
こら。
セイティス・あなた
ぐえ

やっぱり。

ダンタリオン・ダリ
勝手に放送室入って、
マイク奪っちゃダメでしょ。
ダンタリオン・ダリ
勝手な行動しないの。
ダンタリオン・ダリ
放送師団に、どれだけ迷惑かかったか。
セイティス・あなた
はい……。

廊下で、お説教を食らってしまう。
いや、私が悪いけれども。
こればっかりは、許してほしいと言うしか。

けれど、怒られていると、なんだか申し訳ないし、どうしようかなぁ、なんて考えていると。




ダンタリオン・ダリ
建前は以上!
セイティス・あなた
は?

そんな、爆弾発言を、ダリ先生が言った。
ダンタリオン・ダリ
いやー、ごめんごめん。笑
一応反省はしてもらわないとな、みたいな。笑
ダンタリオン・ダリ
僕は君の行動、よかったと思うよ。
セイティス・あなた
……本当、そういうとこ嫌だ…。

そうだ、この悪魔、こういうところがあるんだった。

ダンタリオン・ダリ
面白いことは大歓迎。
それに、…。
ダンタリオン・ダリ
"君の音"、聞かせてくれるんでしょ?
セイティス・あなた

ああ、そうか。
あのときの、"君の音"。なんだか、今なら、私の音を出せるような気がしてならない。
ダンタリオン・ダリ
期待してるよ。

私にとって、いちばん重い重圧の言葉を、
軽々と私にあびせて来るけれど。
セイティス・あなた
先生、わたし。
セイティス・あなた
才能なんてないから、
セイティス・あなた
才能じゃない、私の音。
先生に、響かせてあげるね。笑

絶対、この悪魔の期待にも、応えてやろうと思った。




あーーー羞恥心
厨二病炸裂やだああ

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