Youside
吸血鬼...。
私は後退る...が。
背中が壁に触れてもう逃げることも出来なくなってしまった。
シルクさん、辛いの必死になって隠してる...。
私をこれ以上怖がらせないようにしてるのかな...。
ドンッ
シルクさんは、私に近づいて壁に手を置いた。
呼吸が荒い。
シルクさんの口から牙が見えた。
シルクさんは私の首に顔を近づけ...
首筋に牙を食い込ませた。
ちょっと痛い。
血を抜かれるのは少し怖い。
けれども、シルクさんなら許せる気がした...。
シルクさんに血を吸われてる。
でもなんだろう...。
痛いというより...変な感覚になっている...。
シルクさんは少し笑みを浮かべると...
私の額に、デコピンしてきた。
シルクさんはそのまま私の部屋を後にしようとする。
けど...。
しばらく沈黙したあと...。
私がそう言ったあとシルクさんは少し考えて...。
私はシルクさんに向かって微笑むのであった。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!