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第9話

第8夜 抑えきれない衝動
464
2020/06/14 22:37


Youside


シルクロード
シルクロード
俺、血が欲しい。
あなた、お前の血を吸いに来た。
あなた

えっ...?

シルクロード
シルクロード
俺、言ってなかったけど...吸血鬼なんだ。


吸血鬼...。


私は後退る...が。


背中が壁に触れてもう逃げることも出来なくなってしまった。

シルクロード
シルクロード
...怖いか?
あなた

いえ...ちょっと、びっくりしただけです...。

シルクロード
シルクロード
...嘘だな。
あなた

うっ...そうです...怖いです。

シルクロード
シルクロード
やっぱりな...、っ...。


シルクさん、辛いの必死になって隠してる...。


私をこれ以上怖がらせないようにしてるのかな...。


あなた

...いいですよ。

シルクロード
シルクロード
えっ...?
あなた

血、吸ってください...。

シルクロード
シルクロード
...いいのか?
あなた

辛いでしょう...?無理に抑える必要はありませんから...。

シルクロード
シルクロード
...っ!...許せ、あなた。


ドンッ


シルクさんは、私に近づいて壁に手を置いた。


呼吸が荒い。


シルクロード
シルクロード
俺...もう無理っ...優しく出来ねぇかも...。
あなた

いいですよ、気にしなくて...。

シルクロード
シルクロード
すまない...っ


シルクさんの口から牙が見えた。


シルクさんは私の首に顔を近づけ...


首筋に牙を食い込ませた。



あなた

っ...!



ちょっと痛い。


血を抜かれるのは少し怖い。


けれども、シルクさんなら許せる気がした...。



シルクロード
シルクロード
痛いか...?ちょっとだけ我慢してろよ...。


シルクさんに血を吸われてる。


でもなんだろう...。


痛いというより...変な感覚になっている...。


シルクロード
シルクロード
はぁ......ふぅ...大丈夫か?
あなた

は、はい...。

シルクロード
シルクロード
すまない、急に。
...あなたの血って美味いんだな。(ボソッ)
あなた

いえ、いいんです...。
また...欲しければ言って下さい...。

シルクロード
シルクロード
...いいのか?
あなた

はい...!( *´꒳`*)

シルクロード
シルクロード
...!ありがとう...。
(可愛いな...。)
あなた

それに...。

シルクロード
シルクロード
...?
あなた

シルクさんが...吸血鬼って知って、その...少し、かっこよかった...です...。

シルクロード
シルクロード
...!!


シルクさんは少し笑みを浮かべると...



私の額に、デコピンしてきた。



あなた

いたっ...何するんですか...!

シルクロード
シルクロード
あなたって警戒心、無さすぎだw
あなた

ちょっと...!

シルクロード
シルクロード
そんな風にしてると、誰かに襲われるぞ?
あなた

うっ...。

シルクロード
シルクロード
...冗談だw
あなた

もう...!!

でも、無理しないでくださいね...?

シルクロード
シルクロード
...おう、ありがとな。



シルクさんはそのまま私の部屋を後にしようとする。


けど...。



あなた

あのっ...!

シルクロード
シルクロード
ん、どうした?


しばらく沈黙したあと...。


あなた

...一緒に、寝てもらってもいいですか?



私がそう言ったあとシルクさんは少し考えて...。



シルクロード
シルクロード
いいよ。
あなた

...!ありがとうございます...!




私はシルクさんに向かって微笑むのであった。

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