第4話

仲直り
56
2022/03/15 15:56
三郎視点
ブチッ
三「あっ」
僕は二郎のスポーツバックに着いていた守りを壊してしまった、二郎のお守りは布で作られていて中に何かの紙が入っているよく見ると所々の布や糸が解けていてかなり使い古されているのがよくわかる。
三『素直に謝ればいいしお守りも新しいの買えばいいや』
二「三郎〜〜」
夜空視点
夢「師匠、今日はジャノベーゼとトウモロコシのサラダに」
ピンポーン
呂「こんな夜になんだ?」
師匠と俺は晩ご飯の準備をしていると宅配便も頼んでないのにチャイムがなっている、俺と師匠で玄関に行く事にした。
ピンポーン ピンポーン
夢「はぁ~い」
三「・・・・・・・・・」ぐす
何故か涙目で雨が降っている中パジャマ姿でプーマのサンダル走ってきて転んだのか全身が泥で汚れている。
三「夜空・・・・・・ごめん」ぐすぐす
夢「さっ三郎くん!?大丈夫?とりあえずなかにはいって!」
呂「着替えとバスタオル持ってくる!クソガキ面倒見てろ!」
夢「はい!」
呂駒呂視点
夢「はい、ホットミルク生姜と蜂蜜が入ってるか温まるよ」
三「ありがとう・・・」ゴクッ
何故か一郎のとこの三男坊が雨の中びしょ濡れで俺ん家にやってきた今は風呂を沸かしているが時間がかかるのでその間はホットミルクを飲んで暖まってもらうことにした。
呂「よくここだと分かったな」
三「夜空のスマホ情報でハッキングしたので」
夢「三郎くん俺のスマホをハッキングしないでよ!」
呂『中学生だよな?』
夢「とりあえず一郎さんに電話するから待っ」
三「しなくていいよ!!」
次男坊とはよく喧嘩して声を荒らげるが一郎の名前をだしてこんなに声荒らげたのは初めてかもしれない、心做しか涙目になっているし鼻をすすっている。
夢「さっ三郎くん?」
三「・・・・・・」ズズっ
呂「・・・・・・・・・はぁーー仕方ねーな」
ドサッ
呂「クソガキ珈琲を頼む、飯は?」
夢「分かりました、晩ご飯はサラダの準備と海鮮の下処理が終わってますのでまだ出来ませんよ」
三「?」
呂「なんで泣いてんだ聞いてやるから話してみろ」
三郎視点
呂駒呂さんはソファーに雑に座り僕の隣に来た、その間夜空は呂駒呂さんとブラック珈琲自分にはカフェラテ、そして雨に濡れた僕に毛布をかけてくれた。
三「でも貴方達には関係ないです!!」
呂「喧嘩か?」
三「!」
呂「仲直りしないのか?」
三「・・・・・・したいのは山々なんですが」ぐす
呂「もしかして一郎さんか?」
三「違う・・・二郎と」
夢「二郎さんと!?」
三「・・・・・・・・・」こくん
夜空視点
俺は心底驚いた普段から二郎さんと三郎くんは喧嘩が絶えないが三郎くんが泣きながら家出するのは珍しい一郎さんが両成敗の一択だった。
夢「一体何やったの?」
三「二郎のバックのお守りを壊して・・・」
三郎くんの手にはボロボロの青いお守りを持っていた、そのお守りにはサッカーボールに蹴っている黄色靴に赤い太陽が糸で刺繍されている、よく見ると紐の部分がプツンと切れており紐は所々解れている。
三「どうしよう・・・・・・二郎今回は本気で怒ってた・・・」ぐす
夢「三郎くん・・・・・・」
三「僕・・・本当に二郎に嫌われる・・・・・・」ぐすぐす
耐えきれなくなったのか等々泣いてしまった、大粒の涙がポロポロと溢れてきて袖で拭いでいる。
夢「師匠ちょっとだけ待っててくださいね」
pururururu pururururu ガチャ
二《三郎?三郎か!?》
夢「ゴホン・・・あ゛?二郎さん?」
呂「?」
三「?」
夢「てめぇんとこの三男?だっけクッ・・・・・・ソ迷惑なんですが」
二《夜空?何言ってんだ》
夢「だーかーらードブみたいな顔でぴーぴーぴーぴーうっせーつってんだよ、それすらわかんねーの?」
三「夜空?」
夢「とりあえずこいつ今サンドバックにしてんでwじゃーね」
ピッ
三郎くんには悪いがありもしない嘘で二郎さんの心配を煽り師匠宅まで来てもらう事にした。
夢「とりあえず二郎さんには嘘ついたからそれまでお風呂に入ってていいよ」ニコッ
三「よっ夜空?」
夢「本当に三郎くんのことを嫌ってるなら助けに来ないよ、だって自分の事にしか考えられないから」
三「夜空・・・分かった」
呂「これ俺の服だ、おろしたてだ」
三「ありがとうございます」
呂駒呂視点
夜空はお風呂場まで案内しリビングで俺の隣に座り二郎が俺ん家にと釣ってくるのを待っていた。
呂「クソガキ、本当にこれで来るのか?」
夢「本当に妹とか弟が大事な兄は絶対に助けに行きます例え自分の命が危なくてもです」フーフー
熱いラテを口で冷ましながら大事なら助けに来ると言いながら二郎達を待っているとチャイムが鳴ってきた。
ピンポーンピンポピンポピンポピンポ
夢「あっ来た、は〜い」
ガチャ
二「お邪魔します!三郎はどこだァァァァ!?」
夜空がドアを開けると勢いよくドアを蹴り今にも夜空に殴りそうにもなりながら夜空の胸ぐらを掴んでいる、二郎の目はいつでも殺しそうな目をしているが夜空は平然としている。
夢「二郎さんこんばんわ」
二「おまえ・・・信頼してたのによよくも三郎に暴力を!」
三「二郎!!」
風呂をあがってきた三郎が二郎を呼び止め三郎の声を聞いた二郎は三郎に視線を移した。
二「三郎!!おまえ殴られてたんじゃ!!」
三「夜空が本当に心配してるなら助けに来るって」うる
二「夜空・・・・・・悪かった突然胸ぐら掴んで」
夢「ううん、俺は三郎くんの悪口を言ったからお相子!」
二「三郎の事ありがとうな」
三「二郎・・・お守り壊してごめん」
二「お前が無事でいてくれてよかったよ」
夢「そういえばどうしてお守りで怒ってたんですか?」
二「これはな」
三郎視点
二「これはな」
シュルッ
二郎がお守りの中身を開けて赤の折鶴と白い紙を出して僕に見せてくれた。
三「じろにぃが優勝しますように」
二「三郎が頑張ってお小遣いを貯めて買ってくれた誕生日プレゼントなんだよ」
三「あっ・・・」
二「やっと思い出したか?まぁ小さい頃だから覚えてないよな、赤い折鶴は千羽鶴の代わりと赤色は勝利の色手紙はなもっと書きたかったんだけどねって言って俺に渡してくれたんだ」
三「・・・・・・・・・」
二「三郎が俺に始めてくれたプレゼントだからついカッとなって・・・・・・三郎ごめんな」
三「うん・・・・・・」
二「悪ぃ呂駒呂さんに夜空、夜遅くに来て」
呂「ガキ2人で帰らせられるか送ってやる」
三「・・・・・・・・・」
二郎視点
二「ねむ・・・・・・・・・」
今は朝の6時30分、普段はしゃっきりと目が覚めているのだがとても眠い。
昨日の夜家に着いたのが21時18分兄ちゃんは俺と三郎を探していたらしいが誤って川に落ちてしまい川から上がって2時間も探していたらしいが流石に寒くなって服を着替えてから俺達を探そうとして家に出ようとした所を家に帰ってきた俺と三郎と鉢合わせしたので仲直りをした事を教えた後俺だけ兄ちゃんに叱ってもらったそれもそうだ俺のせいで三郎を家出たようなものだ俺だけ叱られるのは当たり前だと俺は思っている。
二「ん?これってお守り」
昨日壊れたはずのお守りの紐が治っており穴が空いていた場所は青色の糸でツギハギに縫われているお守りの隣には置き手紙が書いてあった。
三[二郎へ 昨日はごめんなさい 三郎より]
二「気にしなくていいのによ」
三郎は昨日の事を気にしていたのかお守りを治してくれた、三郎が治してくれたお守りをスクールバックに着けて学校に行く事にした。
一「二郎、三郎を起こしてくれ朝ご飯だ」
二「わかったよ兄ちゃん!」

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