次の日、snowkillerのアジトは朝から大騒ぎだった。
阿部が、アジトから姿を消したのである。
2階から佐久間が駆け下りてきた。
目黒は佐久間からパソコンを受け取ると、ものの数秒でロックを外した。
そう言って、再生ボタンを押した。
『なぁ、聞いたか?』
『はぁ?何や、いきなり。』
『あれだよ、あれ。例の研究室。』
『……あぁ、あの実験のことか。』
『そうそう。やばいよなぁ、能力を持たずに生まれた一般人に、能力を与える実験なんて。たくさん死者が出てんだろ?』
『…………そうやね。』
『ん?でもどうやって能力を与えるんだ?普通そんな事できないだろ。』
『……能力者から採取したDNAを元に作った薬を、被検体に打ち込んでるんよ。』
『へぇー……でも被検体になる奴もどうかしてるよな…』
『被検体になる人間は、金がなかったり、身寄りがなかったり、売られてきたようなやつばかりや。…………そいつらだって、なりたくてなったわけじゃないやろ。』
『そうなのか……って、お前何でそんな詳しいんだよ。』
『……あの実験、今回が初めてじゃないんやで。』
『え、そうなの?』
『過去に3回、同じ実験が行われてるんよ。……そして2度目の実験で、あることが分かったんや。』
『あること?』
『……被検体が子供やった場合、ほぼ100%実験が成功しとったんや。』
『……えっ……』
『それが判明したことで、研究室は子供だけを被検体として、3度目の実験を行ったんや。』
『………可哀想だな…』
『……ただ…3度目の実験のあと、研究室が半壊する事件が起こった。』
『は?何でそんn……』
『おーい、お前ら何サボってんだ〜?』
『げっ、先輩…!』
『……すんません。こいつが__』
音声データは、そこで終わっていた。
これが本当なら、大変なことになる。
それに、なぜこんなものが阿部のパソコンにあるのか。
様々な疑問と不安が過ぎり、全員が静まり返っていた。
ガタッッ!!
その時、突然目黒が立ち上がった。
ラウールも険しい顔をしている。
すると目黒はどこかに電話をかけた。
ダッ!
誰かと通話しながら、すごい勢いでアジトをでていってしまった。
そしてラウールも、その後を追うようにアジトから出ていこうとした。
そう言って、ラウールはスマホを取り出した。
スマホは通話画面になっており、目黒とつながっていた。
そう言って、目黒との通話が切れた。












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。