ドカッバキッ
『俺のことはええから、2人は早く……ぁぐッッ!』
まただ。
『いやだよっ、助けて!!』
また、奪われる。
目の前で。
ドカッドカッドカッ
『あれ?君たち新入りか?』
『………うん』
『そっかぁ〜、俺もついにお兄ちゃんやなぁ!』
『……お兄ちゃん?』
『ぅえ!?……えぇなぁ、それ笑』
『………ちょっと、』
『2人とも、これからよろしくな?ニコッ』
俺は、ベッドの上で目を覚ました。
窓の外を見ると空はもうすっかり暗くなっていて、綺麗な星が輝いていた。
そのまま俺は、吸い寄せられるように窓を開け__
コンコンッ
ドアをノックしたが、返事がない。
ガチャッ
ドアを開けると中には誰もいなかった。
ふと見ると窓が開けられていて、近くにはスリッパが脱ぎ捨てられていた。
佐久間は窓辺に駆け寄ると、窓から思いっきり身を乗り出して下をのぞいた。
上の方から声がした。
声のした方を見ると、屋根の上に目黒が腰掛けていた。
目黒の手を借りて、佐久間も屋根の上に上がった。
2人は黙ったまま星空を見上げていた。
そう言って、目黒は街の方を見つめた。












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。