あなたside
葵が亡くなってから2ヶ月ほどがたった頃
私たちは高校生を終えようとしていた。
…本当は葵もこの場所にいるはずだった。
この事が何度も頭をよぎった。
そんな中私をおいてどんどん式は進んでいく。
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席についてみんなの受け取りを眺める。
あ、次は葵だ…
でも呼ばれることはなかった…。
当たり前だよね…w
少しでも期待した私が馬鹿だった。
そして、最後の人までが終わり、次は首席で卒業した冬嘉の卒業スピーチ。
こんなやつのスピーチなんて聞きたくない…。
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よくもあんな綺麗事言えるね
何が「また、卒業間近、私は1人のクラスメイトを失ってしまいましたが、彼のことを忘れずに、彼の代わりに日々これからも精進していきます。」だよ!
お前は葵の家族の気持ちなんか知らないだろ!!
意味わかんない((怒
割と穏やかに終われると思っていたのに…。
卒業証書を手に私は家に帰った。
家に帰ったら葵との最後の写真が目に入った。
葵が微笑んでくれているような気がして…
頑張れって言われてる気がして…
そう思ったら涙が止まらなくなっていた…。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。