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第3話

第六話
36
2021/01/25 13:55
あなたside










葵が亡くなってから2ヶ月ほどがたった頃
私たちは高校生を終えようとしていた。










…本当は葵もこの場所にいるはずだった。










この事が何度も頭をよぎった。










そんな中私をおいてどんどん式は進んでいく。










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校長先生
卒業証書

朝見 あなた

高校の過程を卒業したことを証する。

令和2年3月20日

校長 堺 吉次
校長先生
頑張ってください。
あなた
ありがとうございます











席についてみんなの受け取りを眺める。










あ、次は葵だ…














でも呼ばれることはなかった…。










当たり前だよね…w










少しでも期待した私が馬鹿だった。










そして、最後の人までが終わり、次は首席で卒業した冬嘉の卒業スピーチ。










こんなやつのスピーチなんて聞きたくない…。










.
堺 冬嘉
晴れ渡るこのすばらしい日に、今日卒業をすることができます。
そしてこのようなすばらしい卒業式を開催していただきまして感謝の気持ちでいっぱいです。
そしてご来賓の皆様の祝辞や在校生の送辞など温かいお言葉をいただきありがとうございます。
感謝の気持ちでいっぱいです。
今日私達はこの学校を卒業させていただきます。
そしてまた新しい旅立ちをこの先させていただくステップの日に今日はなります。
また先生方も今まで勉強などを教えていただきありがとうございます。
そして、今日まで本当にありがとうございます。
そして指導していただきまして、誠に感謝をしています。
まだまだ未熟な私達ですので、卒業後もご指導のほどよろしくお願いいたします。
また、卒業間近、私は1人のクラスメイトを失ってしまいましたが、彼のことを忘れずに、彼の代わりに日々これからも精進していきます。
私達はこの学校の卒業生であることは誇りに思います。
本日は本当にありがとうございます。
皆様がたのご活躍をお祈りさせていただき、御礼の言葉とさせていただきます。











よくもあんな綺麗事言えるね










何が「また、卒業間近、私は1人のクラスメイトを失ってしまいましたが、彼のことを忘れずに、彼の代わりに日々これからも精進していきます。」だよ!










お前は葵の家族の気持ちなんか知らないだろ!!










意味わかんない((怒

















割と穏やかに終われると思っていたのに…。










卒業証書を手に私は家に帰った。










家に帰ったら葵との最後の写真が目に入った。










葵が微笑んでくれているような気がして…










頑張れって言われてる気がして…










そう思ったら涙が止まらなくなっていた…。

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