いつも通りのなんてことない日常を過ごしている姿
楽しそうに笑って、いつも通り仲がいい姿だった
キーンコーンカーンコーン♪
《2年S組白咲由姫さん昼食が終わり次第職員室に来てください》
最初の祝福は
命が渦巻く【華やぐ波】
その扉に手をかけたとき…もう一人の手が重なった
重ねられた手が由姫を突っぱねた…そして扉は閉じてしまった…
突っぱねられた由姫の後ろで、同行した8人はいがみ合っていた
2つ目の扉 赤き目を血走らせ
【炎の宴】に興じる
【恵みの陽光】を勝ち取って
悦に入る海君の手を振り払い
悔しげな顔で 拓ちゃんは【安息の闇】へ
息巻いて進む
あなたちゃんは祝詞を【揺蕩う大地】に捧げて
南くんは【雷鳴の囃子】口遊ぶ
残る同行者は3人…
祝福をこの手に…… 心、研ぎ澄まし
栄光を奪い取れ 我先に…
信じ合う仲間は、何処へ…… 誰もが、敵?
断ち切りなさい 過ぎた愛を
【旋風のロンド】に ふゆくんが舞う
弥生くんは 片割れを押しのけ
【白銀の園】へ
歓喜の雫は流れる間もなく 凍てた
9つ目の祝福は 眠れる【マグマの胎動】
華生くんは メシアを欺いて
誇らしげに笑った
信じた仲間に裏切られ
【祝福】はすべて 横取られた
灯らぬトーチ 掲げながら
祈りの祭壇へ……
その時…次々と火が灯っていく光景を私は目にした
塔の中に封じられし【祝福】
……という名のメシアに課せられた【贖罪】
【贄】と共に 乗り越えたメシアよ
今こそ 新しき楽園の命、繋ぎ足せ
映った光景は…
荒波に溺れながら、微笑んでいる舜先輩
火に焼かれながらも踊っているなっちゃん
渇いた場所で一粒の涙を流しながら困ったように笑う海君
右も左も分からない暗闇で蹲っているのに笑う拓ちゃん
割れた地面に呑まれ潰される前の顔が笑顔だったあなたちゃん
『君独りで、いかせはしない』
雷に撃たれ跳ねているのに暖かい笑みが溢れてる南くん
鋭い風の刃に体を引き裂かれているのに踊り続け、困ったように笑うふゆくん
何もかもが凍る場所で心ごと凍りながらも手を伸ばし笑っている弥生くん
灼熱の空間で這いながらも悔しそうにしているのに笑っている華生くん
健やかなる時も 病める時も ただ信じて……
『困ったな…由姫に泣かれたらどうしようもできない…』
『あー…ごめんな、苦しめたよな…由姫』
『ごめんね…けど後悔はしてないし…みんなと一緒だったからね』
『…由姫を守れたから、後悔はしてねーし…』
『あなたはこれくらいしかできないからね!!』
『由姫を傷つけたくなかったんだぁ…ごめんね最後までいられなくて』
『由姫、信頼してくれてありがとう…守れなくてごめんね』
『ゆきー!!泣かせてごめん…!けど、守れてよかった!』
『ゆき、ぼろぼろ泣かないで…涙ぬぐえない…』
【メシア】は最後の役目を果たすべく、
祭壇に手を伸ばした
ここはアイの塔によって世界を支えられている場所
15年に一度、1人の【メシア】と9人の同行者によって平和が保たれる
否…また平和が保たれた













編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。