蜂谷未來Side
当たり前だけど、家には誰も居ない
私の家は、お母さんを病気で早く亡くしてるから
家庭を支えるためにお父さんが働いてくれてる
机の上には、いつものようにお金が置いてあるだけ
お父さんが私の為にお金を置いててくれるんだけど
私はそのお金を1回たりとも使ったことはない
そう思ったと同時に制服から私服に着替え
お父さんから貰ってるお金とは別のお金と
スマホを持って私は家を後にした
━━カランコロン
"Café de la Paix"
小さくて隠れ家的なお気に入りのカフェ
フランス語で "安らぎのカフェ" という意味で
まさに、このカフェの名前にピッタリなんだ
私は、週に4回以上はここに通っている
中に入ると珈琲のいい香りが嗅覚を刺激する
やっぱり、ここに来ると安心するな……
優磨さんこと、沙糖優磨さんは地元の大学に通う
大学生でもありここのカフェの店員さんでもある
整った容姿と爽やかすぎる笑顔で女性客を中心に
アイドル並みの人気を誇る近所じゃかなりの有名人
優しくて聞き上手でもあるから女性客以外からも
評判が良くて "Café de la Paix" のオーナー
美里さんはこのカフェの売上の半分以上は
優磨さんのおかげだと公言までしている
優磨さんはそう言って厨房に行ってしまった
もしかして、怒らせちゃったのかな…?
気にかけてもらってたのに意地張ったから……
優磨さんはそう言いながら私の目の前に
シフォンケーキを出した
一口サイズにフォークで切り分けて口に入れると
ふわっと優しい甘さが口いっぱいに広がった
そう言って優磨さんはニコッと笑いかけてくれた
優磨さんは、天然さんだから気付いてないけど
その笑顔で今ここに居た女性客全員が
優磨さんの笑顔に堕ちたに違いない…
私は、男性に対して免疫がないから
もちろん、顔が赤くなってしまった…
しばらく優磨さんと話していると
あっという間に外は真っ暗になった
そこに現れたのは想像もしない意外な人だった
𝙉𝙚𝙭𝙩 »»»












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!