蜂谷未來Side
うちの学校の図書室はほんの種類も豊富で
生徒の間じゃ結構人気スポットなんだ
でも、放課後は割と空いてて人気が少ない方
テスト期間中は放課後でも使用する人が多いけど
今は、テスト期間中じゃないから空いてると思う
私は、本を読むことが好きだから本の種類が
豊富にあるここの図書室はお気に入りだったりする
図書室に着いてどの本を読もうかグルグルと
本を探して歩いていると奥の方から人の声がした
誰も居ないと思ってたけど先に来てた人が居たんだ
いつもは、気に止めることなく邪魔しないように
他のところに行ったりするんだけど
この時は、なぜか分からないけど
どうしても気になってしまったんだ
後々後悔することになることなんて知らずに━━
邪魔しちゃいけないとは思いながらも
声がした場所へとどんどん近づいて行った
私が、そこで見たのは快斗くんが
綺麗な女の人とキスしてるところだった……
━━ピコンッ
━━その時、ちょうどなっちゃんからの
メッセージが来て携帯の通知音が鳴った
放課後になったからマナーモードにはしてなくて
盛大に"ピコンッ"という通知音が鳴ってしまった
慌ててその場を離れてすぐに図書室を出て
靴箱まで今までにないくらい早いスピードで走った
快斗くんに見つかっちゃ行けないと思ったら
気づいたときには自分でも驚くほど早く走っていた
なっちゃんには、"用事ができたから先に帰るね"と
"ごめんね"という猫のスタンプをすぐに送った
それから、どうやって帰ったのか覚えていない
気づいたら、優磨さんのカフェの近くの公園に居た
なっちゃんから、"何かあったの?"って
メッセージが来てたけど返せていない
さすがは、親友だよね……
すぐに見抜いちゃうんだもん……
でも、なっちゃんは忙しいんだし
出来るだけ迷惑はかけたくない
だから、後で"大丈夫だよ"という文章を送った
思い出したくなんてないのに思い出すのは
さっき見てしまった快斗くんの"幸せそうな顔"
私の前であんな顔したことなんて1回もない
元々、おかしかったんだよ……
だって、快斗くんがこんなに地味で可愛くもない
私なんかを好きなってくれるわけないもん……
私は、"あの日"からずっと好きだったけど
多分、快斗くんは私のこと"遊び"だったんだよね
告白された時は信じられなくて何回も夢だと思った
クールで無口で何に対しても無気力だけど
本当は人のことをよく見てて不器用だけど
すっごく優しくて笑った顔が可愛くて……
照れた後にしかしない癖だって見つけた……
何を考えてるのか全く分からないけど
でも、何かを考えてるときは絶対に"誰かのため"
"あの日"も、快斗くんはそうだった
あれ?おかしいな………?
さっきから、涙が止まらない……
泣いたことなんてほとんどないのになぁ……
神様は分かってたみたいに私に声を掛けたのは
私が今1番会いたかった人だった
𝙉𝙚𝙭𝙩 »»»












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。