メインストリート
今日は一段と寒い。
あなたは、手と手を擦り合わせながら、少しでも温めようと息を吹きかける。
1人でドジをしていると、後ろから足音が聞こえてきた。
___そう言うとアズールは、首に巻いていた上質なマフラーを解き、あなたにふわりと巻いた。
アズールの香りが鼻を掠める。
マフラーに手も突っ込んで温める。
あなたは驚いて顔をパッと上げる。
控えめに笑う声を聞いて、アズールは微笑む。
アズールより先に校舎に着いていたらしいジェイドとフロイドが、こちらに手を振って歩いて来る。
いつもの笑顔を浮かばせて、双子がもう近くにやって来た。
一瞬であなたが高身長に囲まれる。
やはり、このオクタヴィネル寮生たちに囲われると、よそから見れば心配になる。
フロイドの顔から笑顔が消え、目が開かれる。怖い。
同じ目線になるまで腰を屈めて目を合わせてきた。
あなたが仮面を外した。
首に巻いているマフラーを引き上げ、口元を隠しながらそう言う。
ジェイドとフロイドが顔を合わせてニヤニヤしながら歩いていく。
今日は、いつもより寒くて暖かい朝だった。












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。