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第1話

プロローグ
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2026/08/18 05:08 更新
それぞれ違う場所で、違う毎日を過ごしていた。

朝早くから仕事へ向かう人。

夜遅くまで働く人。

人に囲まれている仕事の人もいれば、一人で黙々と作業する人もいる。

編集者、デザイナー、フラワーショップ店員、舞台俳優、ダンスインストラクター、作家、作曲家、画家、料理人、ミュージカル俳優、ラジオパーソナリティ、翻訳家・通訳、美容師。

彼らの仕事は、何ひとつ同じではなかった。

そして――彼ら自身も、お互いのことを何も知らなかった。

名前も知らない。

顔も知らない。

もちろん、一度も話したことがない。

そんな彼らが、ある一軒の家に集まることになる。

きっかけは、インターネットに掲載された一つのシェアハウス募集だった。

「大きな家で、一緒に暮らしませんか?」

それぞれが別々の理由でその募集に興味を持ち、それぞれのタイミングで入居を決めた。

誰かは、静かな一人暮らしに少し寂しさを感じていた。

誰かは、広いキッチンが欲しかった。

誰かは、新しい環境で創作をしてみたかった。

誰かは、ただ「楽しそう」という理由だった。

理由は違っても、向かう先は同じ。

それぞれの荷物をまとめ、見知らぬ場所へ向かう準備を始めた。

そして、入居日の朝。

まだ誰も知らない。

これから自分が暮らす家に、どんな人がいるのか。

どんな生活が待っているのか。

どんな騒がしい朝を迎え、どんなくだらないことで笑い、どんな夜を一緒に過ごすのか。

玄関の向こうにいるのは、ただの「知らない人」。

――このときは、まだ。

それがいつか、「おかえり」と「ただいま」を言い合う相手になるなんて、誰も想像していなかった。

これは、そんな彼らの物語。

「はじめまして」から始まる、ひとつ屋根の下の毎日。

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