阿部ちゃんが滅多に使わない荒い言葉に俺は思わず目を見開く。
哀しい目をしながらラウールは話し出す。
康二くん、めめ、岩本くん、ふっかさん、舘さん、しょっぴー…。そう言って今まで殺されたり、追放されたりしたメンバーを指折り数えていくラウール。
ラウールはそうやって阿部ちゃんに質問を投げかける。
その一言が深く、深く俺の心に突き刺さる。
初めて聞く阿部ちゃんからのその言葉が今の俺にとってはとても嬉しくて思わずはにかんでしまう。
その直後銃声が鳴り響いた。
ラウールの膝がガックリと折れて、頭から血を流すラウールがこちらを見て笑った。
次第に顔から生気が薄れていき、しばらくしてラウールが死んでしまった事実を頭が受け入れ始めた。
けど今はそんなことはどうでもいい。
今は、今だけでもいいから7人の死体を踏み台にして、阿部ちゃんと結ばれていたい。
阿部ちゃんに抱きついて温もりを感じていたい。
なのに、なんでお前は、ゲームマスターは俺の平穏を邪魔するんだよ。
この最悪なゲームが始まった時のように俺の体が勝手に動いてしまう。
俺たちは今島の最深部にある今まで知らなかった場所にいる。
2人で並んで椅子に座り、お互いに手を繋いだ。
阿部ちゃんは俺の目を見て真面目な顔をしてそう問いかけてくる。
阿部ちゃんとの関係も後少しで終わる。
でも、きっと。
きっと。
きっと、俺たちは運命で結ばれているから。