第9話

8.
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2024/07/26 11:00
佐久間大介
0!誕生日おめでとー!!俺!
時計の針が12をまわり、俺は自分への誕生日を祝う言葉を投げかける。
いい感じにスマホも震えていてみんなからのお祝いメッセージを読むのが楽しみだ。
佐久間大介
ん?電話?
通知を確認しようとするとちょうど阿部ちゃんから電話がかかってきてびっくりする。
良識のある阿部ちゃんがこの時間に電話だなんて何かあったのではないかと不安になる。
佐久間大介
阿部ちゃん!どうしたの?!
俺はすぐさま電話に出ると焦る気持ちいっぱいで勢いよく阿部ちゃんに問いかけた。
阿部亮平
え?どうしたのって…。いや、普通に誕生日を祝うために電話しただけですけど?
俺の心配は見当違いだったようで電話越しでもわかる呆れ声で阿部ちゃんは話し出す。
阿部亮平
佐久間、誕生日おめでとう。
佐久間大介
ありがとー!
にしても本当に阿部ちゃんがこの時間に電話とは珍しい。
俺はこうやって電話越しに声で祝ってもらえることがめちゃくちゃ嬉しいけど。
阿部亮平
ねぇ佐久間。
佐久間大介
ん?
阿部亮平
今日さ、一緒の仕事、あるじゃん?ちょっと集合時間より早めにきて?そうだな…10時くらい。
佐久間大介
んぇ?なんで?
阿部亮平
ちょっと個人的に話があってさ…。いいかな?
阿部ちゃんが話とはなんだろうか。今この電話越しで言えない、そして個人的な話…全く心当たりがない。
…でも、心の中にいる小さな俺が「行ったほうがいい」と言っている気がして俺は阿部ちゃんに同意の返事を返した。
佐久間大介
おっはよー!
朝、阿部ちゃんに言われた通りの時間に楽屋に着くと既に阿部ちゃんは来ていて、椅子に座ってスマホをいじっていた。
阿部亮平
あ、佐久間。おはよ。…ここ、座って?
俺に気づくと阿部ちゃんはスマホをしまってちょうど向かいの位置にあるところをポンポンと叩く。
佐久間大介
……。…それで、どうしたの?話って。
大人しく椅子に座ると少しかしこまった様子の阿部ちゃんに問いかける。
阿部亮平
あのね、佐久間。…俺、佐久間のことが好き。恋愛対象として。
佐久間大介
へ、!?
突然の告白に驚きを隠せないでいると阿部ちゃんが身を乗り出してそっと俺の手を包み込む。
阿部亮平
男だし、突然だし、すぐに答えを頂戴なんて思ってない。でも、しっかりと考えてほしい。
阿部ちゃんの、その真剣な眼差しが俺のことをじっと見据える。
佐久間大介
あ、あのね、…俺、今めっちゃドキドキしてるの。
ギュッと阿部ちゃんの手を握り返して俺は口を開く。
佐久間大介
これが好きっていう感情かは分からないけど、俺、阿部ちゃんとなら付き合いたいって思える。
自分の心臓がドクドクと脈打っているのがよくわかる。
その音が阿部ちゃんにも伝わってしまいそうで。
阿部亮平
、!!…本当に、いいの?
佐久間大介
うん。俺、阿部ちゃんと付き合いたい。阿部ちゃんのこと好きだったのかな、今めちゃくちゃ阿部ちゃんにときめいてる。
すると阿部ちゃんは立ち上がってこちらに回ってくるとその体ごと俺をふんわりと包み込んだ。
阿部亮平
ありがとう、佐久間。めっちゃ嬉しい。
阿部ちゃんの優しい匂いが鼻をくすぐる。
頭を阿部ちゃんの胸板にぐりぐりと擦り付けて強く抱きしめ返す。
佐久間大介
なんか、すっごい嬉しい誕生日プレゼント。めっちゃ嬉しい
阿部亮平
え、告白が誕生日プレゼント?
そう言いながらもポンポンと俺の頭を撫でてくれる阿部ちゃん。阿部ちゃんの温もりがとても心地よく感じる。
渡辺翔太
おつかれーっす……って、は?
気づいたらかなりの時間が経っていたようで楽屋に翔太がやってきた。抱き合っている俺らを見て楽屋の入り口で固まっている。
向井康二
しょっぴーどしたん?…って、わぁ…お熱いなぁ…
後に続いて入ってきた康二も俺らを見てそんなことを言ってきた。
向井康二
阿部ちゃん、さっくんに告白したん?
佐久間大介
え、なんで知ってんの
向井康二
なんでってぇ、阿部ちゃんがよく俺に相談とかしてきたから?
ニヤニヤしながら康二は阿部ちゃんとの会話をいろいろ話してくる。
阿部亮平
もう、康二そんくらいにしといて。佐久間の好きなところは佐久間に俺が直接言いたい。
佐久間大介
す、す、好きなところって、…
阿部亮平
んふ、また今度2人きりの時にね?
康二越しに聞いてもかなりのドキドキだったのに阿部ちゃんから直接だなんて俺の心臓が持つ気がしない。
佐久間大介
しょ、翔太!お前もこの勢いで舘様に告っちゃえ!
俺は逃げ出すべく相変わらず扉の前で固まってる翔太に叫ぶ。
渡辺翔太
はぁ?!俺?!い、いや、別に俺は舘さんには…
宮舘涼太
ん?俺がどうしたって?
ちょうどナイスタイミングで舘様が楽屋にやって来ていよいよ騒がしくなってきた。
深澤辰哉
おぉおぉ、なんだこの騒ぎは…
向井康二
あ、ふっかさん!!阿部ちゃんとさっくんが付き合ったんやで!
康二がどんどんと勝手に俺と阿部ちゃんが付き合ったことを喋っていく。まぁ別に勝手にしていいんだけれども。
岩本照
へぇ、そうなんだ。おめでとうじゃん。
気づいたら照も来てて俺らは一切付き合った報告をしてないのに広まっていくから康二をどうにかして黙らせようかと考え始めた。
阿部亮平
無駄だよ佐久間。めめもラウも俺が佐久間好きなこと知ってる。
佐久間大介
え、嘘?!
ラウール
2人ともおめでとー!
目黒蓮
阿部ちゃん良かったね。佐久間くんも。
結局グループ全員に俺らが付き合って1時間もせずにバレてしまった。けれどこの空間がとても幸せに感じる。
みんなで笑っていられることがとても嬉しい。
佐久間大介
…ってそういえば。
阿部亮平
ん?
佐久間大介
お前ら俺の誕生日直接祝ってねーじゃん!
あぁ、やっぱり9人で笑いあってこそがSnowManだ。




「裏切り者はダレ」ー完。

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