あれからあなたの下の名前は起きていない
息が止まっている状態から動けたのが
まず奇跡らしい
ピッピッピッ
病室に響くこの心電図の音
名前を呼んでも
泣いても
彼はもう撫でたり抱きしめたりはしてくれない
まだ少しだけ暖かい彼の手
大好きな彼の手
どんなに辛くても笑ってくれた
私の救い
なんで離れちゃうの
なんで頼ってくれないの
彼の荷物の一つから
小さな箱が見つかった
開けてみると
指輪だった
少なくとも彼にこんな趣味はない
そして一枚紙も見つかった
『あなたの恋人の名前に渡す大事なやつだから無くさない』
彼の字で
それで全てを悟った
彼はやっぱり私の大好きな人
ちょっぴり不器用な
優しい優しい人
私は…彼を嫌いにはなれない
自己犠牲が激しいけど…
それでも私の大切な恋人だ
ありがとう
あなたの下の名前
バッドエンド
目覚めない彼








![[参加型?]空の上で最後の遺言を、](https://novel-img-gcs.prepics-cdn.com/prcmnovel-tokyo-prod-converted-images/p/fLidrLhRSUUik4ZkTr7M83BhU0V2/cover/01KCTXMWS5RZ2WT40YN9XJ0C3Y_resized_240x340.jpg)




編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!