第38話

第三十六話
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2023/04/23 08:06 更新
瑠璃月蒼華
瑠璃月蒼華
私の師匠になってください!
風宮時雨
風宮時雨
…申し訳ないですが、お断りします。
瑠璃月蒼華
瑠璃月蒼華
ええ?!
 断った理由は、今の俺の立場……「風宮時雨を」いつまで演じられるかはわからないからだ。
 もし、何かの拍子で正体が知られたら、この子の身が危ない。
 俺のせいで誰かに迷惑をかけることは御免だ。
瑠璃月蒼華
瑠璃月蒼華
その…理由を伺っても……?
風宮時雨
風宮時雨
(断られて理由を聞こうとするメンタル……凄いな……。)
風宮時雨
風宮時雨
…あなたの身を案じての最善の決断です。
瑠璃月蒼華
瑠璃月蒼華
私の身を案じて……?
別に心配なんて───
風宮時雨
風宮時雨
……戦場で一番必要なものは、なんだと思いますか?
瑠璃月蒼華
瑠璃月蒼華
えっ……実力……ですか?
風宮時雨
風宮時雨
三流以下ですね。
瑠璃月蒼華
瑠璃月蒼華
急に笑顔でボロカス言われた!
風宮時雨
風宮時雨
正解は、判断力と勇気です。
風宮時雨
風宮時雨
戦場は、コンマ一秒の判断で状況が変わり、それが死に直結するときもあります。かといって決断に迷うようなら、待ってるのは死です。
風宮時雨
風宮時雨
勇気がなければ、いくら実力があっても勇気がなければ死に対する恐怖が芽生えます。
風宮時雨
風宮時雨
恐怖により行動に遅れ、焦り、その結果相手に隙を与え、殺される。
風宮時雨
風宮時雨
私はそんな世界に、あなたを踏み込ませたくないだけです。
瑠璃月蒼華
瑠璃月蒼華
………でも!!
瑠璃月蒼華
瑠璃月蒼華
私は守りたいんです!!
故郷を!みんなを!!
瑠璃月蒼華
瑠璃月蒼華
もう嫌なんです……!見ているだけじゃ!
守られるだけじゃ!だから、私は自警団をやっているんです!
瑠璃月蒼華
瑠璃月蒼華
お願いです!
風宮時雨
風宮時雨
(……どうやら、何を言っても無駄なようだな。)
 この時俺は、蒼華が若い頃の俺にそっくりだと気づいた。
 どんなに現実を叩き付けられても、自分の意志を意地でも貫くその姿が、昔の俺とそっくりだった。
 こういう奴は、テコでも自分の考えを曲げないことは、俺が一番よく知っていた。
風宮時雨
風宮時雨
…わかりました。
風宮時雨
風宮時雨
私でよければ、引き受けましょう。
瑠璃月蒼華
瑠璃月蒼華
本当ですか!?
風宮時雨
風宮時雨
ええ。
瑠璃月蒼華
瑠璃月蒼華
ありがとうございます!
瑠璃月蒼華
瑠璃月蒼華
あっ、師匠って呼んでもいいですか?
風宮時雨
風宮時雨
別に構いませんが。
風宮時雨
風宮時雨
(これで師匠呼びの奴がもう一人増えるのか……。)
瑠璃月蒼華
瑠璃月蒼華
それでは改めて────
瑠璃月蒼華
瑠璃月蒼華
これからよろしくお願いします!
師匠!!
To be continued 

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