鋳琉麻side
俺はリビングから出てきて、扉をすり抜けて、蘭の部屋に入る
濔湖先生は、蘭を寝かしつけたって言ってたけど、実際はまだ寝てない
りうらって子はぐっすりだけどな
りうらは、蘭の手をしっかり握っていた
片手でぬいぐるみを抱きしめて、もう片方の手で蘭の手をぎゅっと握ってる
こうやって見ると、ちょっとほっこりするな…w
それにしても………蘭の顔、疲れてるな………
遊び疲れたとかの物理的な方じゃない
メンタルのほうが疲れてるんだ
蘭が、少し幼児退行してる
気を張りすぎなんだよ…
ホント、どこまでも手のかかる奴だな
でも、めんどくさいなんて思わない
ようやく、蘭は自由に動き回れるようになったんだ
だけど………心の支えが一つなくなったから、その分不安が大きいのかもしれない
湊禿side
夜遅く、魅孤采ちゃんから電話がかかってきた
どうやら不安になってしまったらしい
しばらく、俺は魅孤采ちゃんと話をしていた
夜中っていうこともあり、魅孤采ちゃんの声は少し小さめだった
それでも、不安を紛らわせようと、頑張って話していた
そういえば、魅孤采ちゃん過去なんて一つも知らない
ちょうどいい機会だし、聞いてみよう
もしかしたら、魅孤采ちゃんが遠慮がちな理由がわかるかもしれないし
そういうコトか…
どうりで髪色が違うと思ったら…
どうやら両親ともに、魅孤采ちゃんが気に食わなかったらしい…
何かしら事情があったのか…
それとも、単純に気に入らなかったのか…
出来るなら、二つ目の憶測じゃないといいな…
まさかの、俺の憶測を二つとも合体させたような答えが返ってきたんですケド…
そう来るとは思わなかったな…
女を望んでないという事情から、女である魅孤采ちゃんが気に食わなかった…
こんなにも綺麗に憶測が合体することなんてあるものなのだろうか…
きっと、当時の魅孤采ちゃんには、心の支えがなかったんだろうな…
両親の相手で手一杯で、他に目を向けられなくて
だから、完全に解放されたわけじゃないけれど、誰か一人でも自分のそばにいるだけで、苦しくないと感じられるんだ
魅孤采ちゃんはずっと、壊れかけの自分の心を支え、修復してくれる人が欲しかったんだ
コレはきっと、魅孤采ちゃんにとって、一番欲しかったであろう言葉
今の話を聞いて、この言葉が魅孤采ちゃんに一番ふさわしいと思った
やっぱりあの言葉は、正解だった
魅孤采ちゃんは『奴隷』ではなく『人間』として、自分を見て欲しかったと思うんだ
だから俺は、魅孤采ちゃんは『人間』だと〝断言した〟
自分を『人間』として見てもらえて、きっと嬉しかったのかな…
さて、明日に備えてもう寝るかな
明日は魅孤采ちゃん、一日中離してくれなさそうw
まぁ別にいいけどね
どうせ仕事は休みだし
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編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。