【おおはらMENside】
土曜日、午前9時。
俺は早歩きで駅への道を歩いていた。
ドズル社一の遅刻魔として名高い(?)このおおはらMENが、なぜこんな早い時間に出かけているかというと……
少し遠くに目的の人物を見つけて手を振る。
笑顔で手を振りかえすおんりーの目の前まで、小走りで行く。
俺がわざわざ早起きした理由。
お察しの通り、今日はおんりーとショッピング
モールに行く約束があるからだ。
少し遠くの、大きなショッピングモールに行く予定なので、2人揃って電車に乗り込む。
ドアの前の空間におんりーが移動する。
え?別に通路のところでも……
あッ!もしかしてぇ…
わざわざ吊り革の真下に行ってつり革に掴まって、
俺の方を見る。
……いや、おんりーさん…?
ちょっと背伸びしてるじゃないですか……w
んま、触れないでおこ。
これ以上身長いじりしたら怒られそうだし。
待って俺いらつかれた?
あー純度100%……
そろそろ周りの人からも変な目で見られ始める頃合いだろうし。
やめとこ。
しばらく無言で窓の外の景色を見つめる。
一つ先の駅に止まると、主要な駅だからかたくさんの人が乗り込んでくる。
満員電車とは言わないが、かなり人数が多くなる。
あんま混んでるところ好きじゃねぇんだよなぁ…
その時、電車が急に大きく揺れる。
後ろの人に押され、おんりーが俺の方へよろめく。
軽く肩がぶつかる。
後ろが壁だったことに今気づいた。
顔近っ………
咄嗟にそんな考えが脳裏をよぎる。
いやいや、俺何考えてるんだよ。
ただのやばい奴じゃん……
当の本人は全く気にしていないらしく、呑気なことを言っている。
軽く背を押して壁際に立たせ、俺はおんりーを庇うような位置に立つ。
表面では笑いながらも、鼓動の音が大きくなっていくのが嫌でも感じられた。
目的の駅まで辿り着き、電車を降りる。
ショッピングモールは駅と繋がっているので、人の流れに沿って歩いていけば自ずと着くはずだ。
自動ドアの前までたどり着いて、おんりーが声をあげる。
頭を抱えるおんりー。
いや、誘う前に考えておけよ……
ショッピングモールを出て、再び電車に乗る。
バッグを膝の上に乗せてニコニコするおんりー。
結局、本当にポケカだけ買って帰ることになった。
まじで、何でこんなとこまで来たんだよ……w
…まぁ、たまにはこうやって遠出するのも悪くないかもな。















編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!