レッドドラゴンはけたたましい咆哮をポイントキャニオン全体に響かせながら、大きな翼を使ってぺいんとの背中を追いかけてきた
ぺいんとを空から追っていたレッドドラゴンの目の前に
『私と付き合ってください』
と日本語で書かれた赤色の花火が打ち上がる
打ち上げられた文字の花火は、空中を飛行していたレッドドラゴンの顔面に直撃して視界を眩ませる
遠くで魔法を詠唱していたピック達に話しかける
ピックの周りにビリビリとした雷が発現し始める
リリッサ達の髪の毛が逆立ちはじめ、空を覆っていた雷雲がよりいっそう激しく鳴る
すると、上空の異変を察したレッドドラゴンは、挑発状態であるにも関わらず
魔法を詠唱中のピック達の元へと、高速で移動を始めた
急いで引き返し、皆の元へと走り出すぺいんと
ピックとリリッサは詠唱を続けている
レッドドラゴンは全速力でこちらへと向かってきている
時間の猶予は残り8秒と言ったところだろうか
ぺいんとの声は届いているのか
皆はレッドドラゴンがもうすぐそこまで来ているというのに、詠唱を無理やり続けている
その瞬間、ドラゴンが皆の元へとたどり着いた
風が大きくうねり、ドラゴンの脊椎の部分から四つの魔方陣が大きく展開された
一秒も経たずしてその魔方陣から四つの炎柱が飛び出し、レーザーのような外観に変形した炎柱は
…‥皆のいた場所を一斉に焼き払った
……俺の呼びかけに誰も反応しない
そんな……
……
……ピリッ
一瞬頬にチクッとした感触が伝わる
そしてその異変はやがて身体全体に伝わり、手の先がビリビリと軽く痺れてくる
俺は"予定通り"ドラゴンの体に具現化した針を飛ばす
"針"はドラゴンの体にうまく刺さり、くっ付いて離れなくなる
ドラゴンが炎の柱で焼き払った場所を良く見ると
ココナの白いバリアが大量にダメージを受けた状態で現れ、リリッサの『風壁』で炎の熱気を凪いでいた
ピシャァァァンッ!!!!!
物凄い雷圧の雷が、ドラゴンの身体に一斉に浴びせられる
周りにいる俺たちまで被害を受けないのは、俺がドラゴンに『避雷針』を設置して、雷をドラゴンの身体という一点に集約させたから
太古よりドラゴンは、属性的に雷に弱い
これは、ココナが街の図書館で古代史について調べていた時に手に入れた情報だ
そしてうちには、雷魔法の使い手のピックがいる
極限まで最大のお膳立てをして、最大火力を一撃で撃ち込む
これが俺たちの最大の作戦だった
レッドドラゴンは大ダメージを受け、空中から地に落ちる
ドスンッ……
大きな音を立てて地面に横たわるドラゴン
レッドドラゴンのその大きな身体は一切動いていない
皆はドラゴンを倒せたことに喜びと安堵を感じている
俺もほっと胸を撫で下ろした
レッドドラゴンとの戦闘の健闘を互いに称えあう仲間達
その時俺達は、少しばかり油断してしまっていた
なぜならレッドドラゴンの目は、まだ死んではいなかったのだから
















編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。