それから、揃えられているご飯を食べたり、皆と談笑をしたりした。
乾杯だってして。
エースとデュースのいがみ合いや、初めて話をしたセベクくんのマレウスさん愛を沢山聞いた。
笑顔が耐えることはなかった。
エース「クル先の真似、いっきまーす!」
・
デュース「うーん…まぁまぁだな。」
エペル「先生の片隅にも置けないね。」
あなた「3点。」
エース「誰目線ですかぁ〜???」
何も気にせず楽しめたのは、初めてだ。
ただ今この瞬間が幸せで、同級生と馴れ合えるこのときに幸福感さえ感じた。
ジャック「おい、お前俺の皿に置いてあった肉取ったよな?」
エペル「…………ほっへはいよ!」
セベク「口に含んだまま喋るな人間!!」
あなた「あははっ!!」
いつかの日、周りの人を信用できず…心の内を明かせなかった自分に言ってやりたい。
お前は間違った選択をしていた、と。
ロエルしか頼れる存在が居なかったあの頃は、俺の視界が狭く暗かった。
でも、今は違うから。
エース「え”っ、お前何してんの?!」
あなた「……ソースかけてるだけだけど。」
エース「いやいやいやっ、不味いでしょ流石に!」
デュース「見た目やばいぞそれ…」
あなた「あっは、ナメてんの?はい、あーん。」
エース「え、」
エース「あ、うま。」
デュース「おい?!?!」
楽しい、としかいえなかった。
ロエルに着いていくかどうかなんて、この人たちを見ていたら気が変わるしか道はない。
優しくて、毎日が楽しく過ごせそうなこの人たちと。
俺は、一緒に居たい。
あなた「決めたよ。____ロエル。」
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ジャック「あなた、お前も談話室でいいか?」
あなた「うん、全然大丈夫。」
料理は俺たちで全て完食し、そのままオンボロ寮に泊まることになった。
人数分個室があるわけでもなく、それなら全員で同じ部屋で寝ようということ。
布団を談話室に運ぶジャックに話しかけられ、頷いた。
エース「あなた!オレゲーム持ってきたからさ、勝負しようぜー。」
あなた「ん。んー……ちょっと待って。」
エースからの誘いにはっきりと答えず、もう暗くなっている外を窓から眺めた。
そこから見えるナイトレイブンカレッジを目にし、カーテンを閉める。
あなた「ごめん、ロエルに用があるから行ってくる。」
デュース「もう暗いが、1人で大丈夫か?」
あなた「誰に何の心配してんの。」
何とか言いくるめて、寝巻きのまま外に出る。
スウェット一枚で肌寒い気もするが、風呂上がりの火照った身体には丁度いい。
一度振り返りオンボロ寮を眺めたあと、ナイトレイブンカレッジ内へと向かった。
目指すは、学園長室。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。