昼下がりの教室。窓際の席で、メテヲはぼんやりと外を眺めていた。
桜の花びらが、風に乗ってふわりと舞う。
カーテンの向こうから差し込む光の粒が、めめさんの髪に溶けていた。
メテヲの呟きは、誰にも聞こえないくらいの小さな声だった。
教室の中央で、彼女は笑っていた。
クラスの中心に、自然と人が集まる。
男女問わず好かれる彼女は、まるで春そのもののようだった。
メテヲは軽く笑って答えた。
彼女は1人で廊下を歩いていた。
メテヲは彼女の姿を、遠くから見ていた。
「好き」なんて無責任な言葉、言えたらどれだけ楽だろうか。
「ずっと一緒にいたい」なんて言うのも、なんだか違う気がする。
勇気を振り絞って声をかけようとした瞬間、別の声が割り込んだ。
彼女はただ、純粋に、柔らかく笑った。
言葉を飲み込んだ。
この手は、彼女には伸ばせない。
そう思った。
余裕なんかじゃない、臆病な心を隠すために、
メテヲは不器用に笑顔を貼り付ける。
誰もこの道にいなくてよかったな、
なんて思いながらその場を立ち去った。
きっと今は、うまく笑えないだろうから。
届かない光。
それは我ながら、的を射た表現だった。
近づきたいけれど、近づいたら壊れてしまいそう。
でもやっぱり…












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。