第19話

過去
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2026/07/29 07:26 更新
ちゃんみな
ちゃんみな
教えてくれないかな?






そう言ったちゃんみなさんの目が、私の心の奥を見透かしているようで、背筋が凍った。


あぁ、私が何かを隠していることは、とっくににお見通しだったんだ。


(なまえ)
あなた
すっっごく......重い話してもいいですか?
ちゃんみな
ちゃんみな
うん。




(なまえ)
あなた
発達性ディスレクシアって知ってますか?
ちゃんみな
ちゃんみな
....!
(なまえ)
あなた
私、生まれながらに字が読めないんです


そう。


そのせいで、たぶん私は人生を狂わされた。




生まれた時から優秀な兄と比べられてきた。



..
〇〇君はすごいね~!
..
あなたちゃんなんてまだひらがなも読めないのに...笑



父も当然、よくできる兄を可愛がった。


..
〇〇は素晴らしいよ。誇りなさい。


私を愛してくれるのは母だけだった。



お母さん
良いのよ。字なんか読めなくたって。
お母さん
それより、貴方の声はとても綺麗よ。お母さんと練習しましょう?



母は有名な韓国系のアーティストだった。





私が韓国語を喋れるのは母の影響だ。






私の記憶の中の母はいつも美しい声で歌い、舞い踊っていた。



















私が12歳になる日の事だった。



母の勧めで始めた音楽教室の帰りに、珍しく兄からの電話があった。




胸騒ぎがした。



嫌な予感がした。



..
あなたっ.....!!母さんが....!



母は、母のファンのストーカーに刺されて、搬送先の病院で、死亡が確認された。




私は、母を看取ることができなかった。











後日。



葬式も終わって、これから生きることへの希望もなくなってきた居た時、母を最期をみた看護師の方から、



とある録音をいただいた。





母からのものだった。




お母さん
あなた。


酷く苦し気で、震えた声を聞いた途端、涙があふれてきた。



お母さん
貴方がこれを聞いているってことは、私はもう死んだみたいね
お母さん
本当は貴方を一人にしたくなかった
お母さん
本当にごめんなさいね
お母さん
私からあなたにお願いしたいことは2つ
お母さん
死ぬ前の私の我儘をどうか聞いてね
お母さん
まずはお父さんのこと
お母さん
あんな風だけど、あの人、すごくぶきっちょなの。
お母さん
本当に本当にあなたを愛しているから、どうか、家を出てくまではいいけど、ちゃんと繋がりを持っていてください
お母さん
きっと心配してしまうから
お母さん
そしてあなたの将来のこと
お母さん
もしあなたが歌手になりたい、そんな夢が少しでもあるなら、オーディションに応募してください
お母さん
受かるまで
お母さん
受かるまで。出続けてください
お母さん
決して、諦めないでください。
お母さん
いつか夢は叶うから
お母さん
貴方を置いて逝ってしまって、本当にごめんなさい。許して。
お母さん
最後に























お母さん
生きてください。
お母さん
さようなら
(なまえ)
あなた
か”あ”さ”ん”っ”.....!










それ以来、私は狂ったように練習して、オーディションに出続けた。



でも、きっとお父さんの差し金で、全部辞退させられてた。



なぜかはわからない。




けれど、私は母の言いつけを守るべく、ずぅっと、オーディションに応募を続けた。








字か読めないからと、頭が弱いからと、虐められても。



父さんが衣食を保証してくれないから、年齢をごまかしてキャバでバイトして。




母が期待してくれた、私の声に、ダンスに。




No No Girlsを受けるまでの1年半。








狂ったように時と人生をを捧げ続けた。

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