『 失礼します 』
放課後になり、言われた通りに指導室に来た。
僕が何かした所で中に居る生徒は変わるのかな…?
別に僕は生徒会長なだけで、魔法使いじゃない。
恐る恐るドアを開け、中を覗いた。
「 …………… 、」
僕は思わず息を飲んだ。
指導室のなか、窓際で校庭を眺める男子生徒が
僕に気づいて振り向いた。
彼の黒い髪に紛れるように潜む金髪が、
夕日に照らされて僕の目を突き抜いた。
… やばい、取り敢えず名前を、
『 生徒会長のシンジョンファンです。
キムドフンくんで合ってる ? 』
「 …はい、」
『 急にごめんね。先生に頼まれてここに来たんだ 』
指導室の中は埃っぽいし、物置き場のようだった。
…こんなんじゃ先生も滅多に来なかったんだろうな
僕は彼を対面で座るように誘導して、話を持ちかけた。
『 君の資料貰ったんだけど、なか見てもいい?
個人情報とか、いっぱいだからさ 』
「 …いいですよ 」
…ずっと目見て話してるのに、目が合わん 。。
『 ……… 、』
途中で思わず紙を捲るのをやめてしまった。
何故なら、彼は今5度目の指導を受けているから。
しかも出席日数はギリギリ。
1年の時はちゃんと行ってたみたいだけど …。
指導理由の欄を目にすると、空いた口が塞がらない。
① 他校生との暴力事件
② 万引き未遂
③ 家庭内暴力
④ 器物破損
⑤ 家庭内暴力
これじゃめっきりとした犯罪者じゃないか…?
退学になって普通なのに何故指導止まりなんだ…?
ほとんど暴力してるし、僕これから殺されるの?
恐る恐る彼を見ると、校庭の方をじっと見ていた。
外では、サッカー部が部活をしている。
『 サッカーが好き?』
「 …大っ嫌い 」
彼は校庭を眺めるまま、哀しそうな声で答えた 。
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1話の時に同級生と書いてたのですが、先輩後輩の設定にします。












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。