急ぎの相談と手紙にしたためか、まだ店の空いていない
時間に迎えてくれた
あなたは詳細を伝えた
焦りで上手く言葉にできなかった気がするが
目の前の先生は真面目に聞いてくれた
あなたは続けて頷いた
予想外の言葉に驚く
ヴァルトは机を軽くつつく
ヴァルトは続けた
こちらには伯爵家の者が2人いる
流通しているのなら、何とかなるかもしれない
その回答に一気に焦りが増す
しゅうとにそんな時間はない
失礼を承知で尋ねた
自分の考えを見透かした言葉が帰ってきた
そこで、自分がどれだけ無茶なお願いをしているかに
気づく
貴族でもそんなにかかる魔道具だ
立ち上がって頭を深く下げる
下げたままの頭の向こう、静かに息を吐くのがわかった
跳ねるように姿勢を戻した自分に、ヴァルトが告げる
怪我や火傷は、ポーションや魔法で治さないかぎり
7日過ぎると状態が固定化される
目が潤むのをこらえるあなたに
ヴァルトが冗談めいた言葉をかけた
希少素材を使っての魔道具制作
ヴァルトの店と商会を休ませて手を借りるのだ
高額になるのは覚悟している
ヴァルトにも、父にも一生頭が上がらなそうだ
一方、ふうはや達は王城から神殿に移動していた
ふうはやが、神官から手紙を受け取る
その瞳が左から右へと素早く動き
全部読み終えたところで硬直した
りもこんは必死の形相で、神官を追いかけた
そして
神官から受け取り
詠唱する
できたのは、氷の柱
部屋には、衰弱しきった友
それなのに、容赦なく侵食は進んでいた
部屋は恐ろしく暑い
しゅうとが氷の入った盥を力なく見つめ
ふっ、と笑った
見覚えしかない氷の柱
その透明さに、またかと思ってしまった
かざねは唇を噛み、無理に笑った
しゅうとがあまりにも優しい笑顔で、拳を突き出す
それに応えるように、2人も突き出した
時間との戦いが、息つく暇もなく始まった




















編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!