太秦駅から京都駅に戻って旅館に荷物を取りに行く
お会計等を済ませて旅館を出る
時間は午後5時30分
9時には家に帰れそう
新幹線の中であなたとこはくは昨日、今日との出来事を語り合う
楽しかったせいか、時間がすぐに過ぎていく
こはくも、あなたもいよいよ離れ離れになると実感して泣きそうになっていた
あなたはこはくの肩に頭を乗せて目を閉じた
鼻がツンと痛くなり目がじわじわする
それから新幹線が東京に止まるまで2人は何も話さなかった
駅に着き、こはくはあなたを家まで送る
あなたは途中で歩くのを辞めた
するとこはくはあなたの腕を強く引き、あなたの家とは逆方向に走った
見覚えのある道。
いつもの公園の道だ。
公園の中に入ってこはくはあなたの頭を撫でる
こはくは膝を着いてあなたの手を取った
こはくはズボンのポケットから指輪を取り出し、あなたの左手の薬指にはめた。
こはくはあなたの目の火傷跡にそっとキスをした
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。