その日、私は部屋に帰って
枕に顔をうずめてジタバタしていた。
何時間も前のことなのに、
心臓がまだうるさい。
そう、枕に向かって叫んだ瞬間
スマホがぴこん、と通知音を鳴らす。
私はがばっと飛び起きた。
スマホの画面には『上鳴』
心臓がまたどくん、とはねて
私は震える手でアプリを開いた。
< 上鳴 🔍 📞 三
23:12 既読 23:13 既読 👍
なんとデートの内容についてだった。
また心臓がどくどくと音を立てて
私の体が嫌なくらい熱くなる。
ぽつりとつぶやいた私の声は
一人の部屋にすう、と消えていく。
以前ホラー映画を見たときに
しばらくの間怖くて眠れなくなった経験がある。
でも、上鳴が言うなら。
23:21 既読
返信をしている彼の顔がたやすく思い浮かぶ。
こんなによろこんでくれるなら、
もう覚悟を決めるしかないじゃないか。
私はデートの日まで、
できるだけ怖さを感じないように
毎日癒される動画を見て寝ることにした。
デートまで、あと3日。
next....












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。