第18話

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2020/05/18 14:04
壱馬くんには言えてない過去








いっぱいあるんだよね…











きっと、私の事嫌いになっちゃうよ。










こんなこと言ったら、壱馬くんがどこか行っちゃう気がして言えなかった。














壱馬「ごめん、あゆ。」








え?何が?











壱馬「初めてなんやろ?無理やりみたいな感じでさせようとしてごめん。」









違うよ、そーじゃない。









謝らなくていいの。








私が言ってなかっただけだから。









アユ「ち、違うのっ!あと、えと、私…」







って言葉を詰まらせた








壱馬「ん?」









言わなきゃ










そー思って決心して言った。









アユ「あのね。私、初めてじゃないの、」








壱馬「前にもヤった人おったん?」








アユ「彼氏とかそ言うんじゃなくて、えと、あの、」







壱馬「あゆ、そんな怖がらんでええからゆっくり言って?」








アユ「うん。ありがと、」








壱馬「うん。」





…深呼吸して







アユ「あのね、昔の話なんだけどね。
私、親戚のおじさんの家に遊びに行って
そしたら、泊まることになって…
私も兄弟と一緒に泊まったんだけど私は
親戚のおじさんのお兄さんの方の部屋に泊まったの…私、1人だけ…」









壱馬「うん。」









アユ「そしたら、急にキスとかされて…
私怖くて…助け呼べなくて…そのまま…」











って私が続きの言葉言おうとしたら









壱馬「そっか…ごめんな。」









って謝って来た。







アユ「壱馬くんは何も悪くないでしょ?なんで謝るの?」









壱馬「そんなことも知らず、無理やりやろうとして…」








アユ「違うよ。」









壱馬「ん?」









アユ「私ね、かずまくんがいいの…
壱馬くんじゃないとヤダ。だけど…グスン」







話しながら泣いてた…









壱馬「怖い思いしてたんやな。ごめんな。でも俺は、そんな無理矢理はせんよ?あゆのことが大事やけん、あゆを傷つけることはしたない。あゆのこと大好きやから、愛しとるから、ちゃんと大事にするよ。」











アユ「かじゅまぁぐん…グスン」






その言葉を聞いて泣き崩れてしまった私。






壱馬くんがそんなふうに思ってくれて嬉しかった。






こんなこと話したら、引くかなって思って言えなかった。







だから今まで壱馬くんとシた事なんてなかった。








でもね、なんか



















今は怖くないよ…?














壱馬くんが思ってくれてるって思ったら大丈夫











アユ「今まで言わなくて、ごめんなさいッ…」








壱馬「泣かんでや、今ちゃんと言ってくれたやん…ありがと。」





って言って優しく涙を拭き取ってくれた





アユ「私の事、嫌いになったりッしない…?」








壱馬「嫌いになるわけないやん!むしろ、あゆのこと、もっと守らなあかんって思ってん!」







アユ「かずまぁくん…うぁぁぁぁぁぁん」





って子供のように泣いた私をそっと抱きしめて









壱馬「俺は、なんがあってもあゆのそばおるよ?やから、俺のそばにおって…ずっと…」













壱馬くんの優しさが凄く嬉しい。










こんな汚れた私をちゃんと受け止めてくれた











そー思ったらもっと泣けてきちゃって












壱馬「おまっ泣きすぎ笑」





って優しく笑ってた。













こんな優しい人他にいる?









こんなにも私のこと思ってくれる人いる?










私、あなたにで会えてよかった










壱馬くん

















アユ「私も…大好き…















愛してます…泣笑」
























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