エリスと遊び始めて、数刻程が経った頃だった。
遊び疲れたのか、エリスは私の膝を枕にして寝息を立て始めていた。
起きてと云うが其の声は虫が鳴くほどの小ささ。
眠り姫状態のエリスが起きる訳も無く、私はさて如何しようと、頭を抱えた。
此の儘放置するのは後でとやかく言われそうだし、
だからと言って此の儘では膝が痛い。私の身体は虚弱なのだから。
如何すればいいか分からず、私は取り敢えずエリスの頭を撫で始めた。
猫を愛でる様に、優しく。優しく。
寝息をたてるエリスの顔は、きっと孤児の苦しみなぞ知らないのだろとくらい、
幸せそうなモノだった。
頭を撫でていた手を、エリスの首にかける。
優しく包み込む様に、段々と力を入れる。
其の幸せそうな顔が、苦しみに歪んで行く。
ガチャ
その時、部屋の扉が開けられた。
見られる、!
そう思い、エリスから急いで手を離す。
入って来たのは、中原と、、、
包帯を巻いた、蓬髪の少年だった。中原と同い年くらいか?
人当たりの良さそうな笑み。
の、裏に何か隠してそうな少年だと感じた。
端的に言えば、不気味な男だ。
兎に角、此の太宰治には関わりたく無い。そう、私の直感が云っている。
2人の会話に置いてきぼりとなった私は思った。
あぁ、コイツら仲悪いんだな、と。
只、2人とも頭は回りそうなのに云っている事が幼稚で愉快なので、
私は暫く傍観していた。
口喧嘩が落ち着いたのは、エリスを回収に来た森が部屋に入って来た30分後だった。












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!