第13話

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2026/02/14 06:00 更新

翌日。




昨日の言葉が、まだ胸の奥に沈んでいる。






アクアの横顔


" 守れなかった " という後悔。

" 壊すことで守る " という選択。






重たいままの心で、事務所の中へと入る。






星野ルビー
あなたちゃーん!!

弾ける声。





振り向いた瞬間


ルビーが全速力で飛びついてきた。




星凪あなた
ちょ……ちょっと朝から元気すぎ…
今日も可愛いね
星野ルビー
聞いて聞いて聞いて!?
星凪あなた
なぁに?


キラキラしてる。


本当にキラキラしてる。


星野ルビー
ミヤコさんがね!
新規アイドルグループ作るんだって!!

その言葉が、まっすぐ胸に届いた。

星凪あなた
(そっか……ちゃんと実行してくれたんだ)

星凪あなた
…うん
星野ルビー
それでねそれでね!
星野ルビー
まだメンバーも何も決まってないけど!
でもチャンスあるって!もう1回挑戦できるって!


両手を握ってぴょんぴょん飛び跳ねる。


この前の落ち込みは
本当に何処へ行ったのやら……。


星野ルビー
すごいよねぇ!
星野ルビー
やっぱさ、夢って終わらないんだね!
星凪あなた



その無邪気な一言に、少しだけ胸が痛む。



だって__終わらせようとした人がいたから。










でも


それでも今、ここに立っているのは


切られたはずの夢の続きを信じているルビーだ。








星凪あなた
……うん、終わらないよ


だって……


星凪あなた
ルビーの夢だもん
星野ルビー
でしょ!?



あぁ……この笑顔が私は一番好きだ__。




星野ルビー
私ね、絶対センターになる!
星凪あなた
え、いきなりそこ?
星野ルビー
だってアイの娘だよ!?
目立たなきゃ!



クルクル回ってポーズまで決める。


眩しい。








ふと視線を感じて顔を上げると


アクアが立っていた。







星野アクア
……
星凪あなた
(無表情か……)





でも、その目は昨日より少しだけ柔らかい。






星凪あなた
アクアも応援してよね
星野アクア
…はいはい


素っ気ない返事。






でも私は知っている。






その返事の奥にあるものを。
















ルビーは それすら気にせず、ニコニコ笑っていた。



星野ルビー
私、絶対売れるから!
星野ルビー
そしたら皆でテレビでよ!
星凪あなた
飛びすぎだね
そんなルビーが ちょー可愛い
星野ルビー
夢は大きく!
えへへっ、ありがとう



笑い声が部屋を満たす。




昨日までの重たすぎる空気が、少しづつ溶けていく。




星凪あなた
……

私はそっと、アクアを見た。


星野アクア
……フイッ


彼はほんの一瞬だけ視線を寄越し
すぐに逸らした。




でもその目は本当に優しかった。














守るために壊したはずの夢は
結局、形を変えて戻ってきた。




閉じ込めることはできない。



光は、勝手に隙間から差し込むものだ。





星野ルビー
あなたちゃんも一緒にアイドルやりませんか


ルビーが手を差し出す。


その手は温かくて、まっすぐで、迷いがない。


だから私も、迷わずその手を取る。


星凪あなた
……うん
星凪あなた
一緒にやろ



アイが遺した光は絶対に消えない。






怖くても、間違えても
誰かが止めようとしても。






それでも また夢は芽吹く。









あの日、愛を覚えた少女が
今度は私たちに託したもの__。




私はその光を
今度こそ、ちゃんと伝えていく。



ルビーの隣で。



そして、少しだけ救われアクアのためにも。





星野ルビー
ちょー楽しみっ!
次世代の極星とアイドルが出来るだなんて……
星凪あなた
そうだねぇ
私も可愛すぎるルビーとアイドルできて嬉しいよ


星凪あなた
もちろん、タダでとは言わない
星凪あなた
私がルビーとアイドルをします。
斎藤ミヤコ
星野アクア




このことは まだ


内緒にしておこうかな___。



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