翌日。
昨日の言葉が、まだ胸の奥に沈んでいる。
アクアの横顔
" 守れなかった " という後悔。
" 壊すことで守る " という選択。
重たいままの心で、事務所の中へと入る。
弾ける声。
振り向いた瞬間
ルビーが全速力で飛びついてきた。
キラキラしてる。
本当にキラキラしてる。
その言葉が、まっすぐ胸に届いた。
両手を握ってぴょんぴょん飛び跳ねる。
この前の落ち込みは
本当に何処へ行ったのやら……。
その無邪気な一言に、少しだけ胸が痛む。
だって__終わらせようとした人がいたから。
でも
それでも今、ここに立っているのは
切られたはずの夢の続きを信じているルビーだ。
だって……
あぁ……この笑顔が私は一番好きだ__。
クルクル回ってポーズまで決める。
眩しい。
ふと視線を感じて顔を上げると
アクアが立っていた。
でも、その目は昨日より少しだけ柔らかい。
素っ気ない返事。
でも私は知っている。
その返事の奥にあるものを。
ルビーは それすら気にせず、ニコニコ笑っていた。
笑い声が部屋を満たす。
昨日までの重たすぎる空気が、少しづつ溶けていく。
私はそっと、アクアを見た。
彼はほんの一瞬だけ視線を寄越し
すぐに逸らした。
でもその目は本当に優しかった。
守るために壊したはずの夢は
結局、形を変えて戻ってきた。
閉じ込めることはできない。
光は、勝手に隙間から差し込むものだ。
ルビーが手を差し出す。
その手は温かくて、まっすぐで、迷いがない。
だから私も、迷わずその手を取る。
アイが遺した光は絶対に消えない。
怖くても、間違えても
誰かが止めようとしても。
それでも また夢は芽吹く。
あの日、愛を覚えた少女が
今度は私たちに託したもの__。
私はその光を
今度こそ、ちゃんと伝えていく。
ルビーの隣で。
そして、少しだけ救われアクアのためにも。
このことは まだ
内緒にしておこうかな___。











編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!