ある日こんな手紙が来た
『黒狐へ
元気でやっているか。
お前らに見せたい景色がある。かつて三人で見た、あの神社の裏山を覚えているだろうか。
桃のつぼみが綻び始める頃、あそこで待っている。
積もる話もある二人で来てくれると信じているよ。』
何のために書いたのかは分からないけど
ここでは初めて兄を見る
どんな姿なのだろうか
昔と同じで、
格好良く背中が大きな人、心が広い人なのだろうか
もう“支える”必要がない人なのだろうか
生まれた時から環境が最悪だった
何より兄達は僕が生まれてくるまでに沢山
辛い想い、汚い物を見ただろう
そんな兄弟に守られ育った僕
子供なのに“大人になるしかなかった” 刻
子供なのに“子供でいられなかった” 界人
目の前の“現実”を隠されて生きてきた 僕
いつも「平気」と隠そうとする兄弟
それしか“学ばなかったから”
そんな人達を見るのが辛かったから、
僕は後ろからじゃなくて隣に一緒に立つ
ことを誓ったんだ
僕はこの招待状を受け取るつもりだった
『一人で』
兄弟揃って頼る事が出来ない
本当【不器用】な兄弟だよ
でもそれを止めてくれる兄弟が居ることも知ってる
今日は説教正座二時間コースだな












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!