咄嗟に瞑った目を開けたら
視界いっぱいにテヒョンの顔が見えた
いつもの 顔 .
引っ張られた腕の痛みが和らいでいく
だが 押し倒されたリビングのソファの上で
今度は両腕を掴まれた
さっきよりは強くないが
全く痛くないわけでもない
顔の近さに その瞳にいつもより怯んでしまって
更に近づく顔に抵抗が出来なかった
まだ日は登っていない
薄暗い視界でしっかりとその瞳と目が合った
両腕をめいいっぱい動かしても
ビクともしないまま
足さえもテヒョンが乗っているから
使えない
せめてものの抵抗で
こじ開けようとする舌を入れないように
ぎゅっと口を閉じて離れるのを待った
私は何も言わず
頑なに閉じたまま
またその唇が触れた
やんわりと優しくキスを誘われる
つい 、口が開きそうになるのを我慢して
テヒョンからの誘いに断ったのは初めてだった
昨日 、会社での不安げなテヒョンを知っていたのに
あぁ 今夜はテヒョンなんだ
って
その後ジミンに誘われるまで思っていたのに
先に約束したテヒョンよりも
私はテヒョンじゃなくジミンを選んだんだ
テヒョンの手が離れ それは服の中へ入ってくる
ひんやりとした長い手が私のお腹に触れる
キスはしなくなって触れた先は首元だった
這うようなその唇が焦れったい
途端に 長くて熱いその舌で舐められて
抵抗しようとする気になれない
熱い 、
首にあたる吐息が温かい
舌が熱い 、
熱い 、
暑い 、
テヒョンが起き上がり その瞳と目が合った
自身の親指で下唇を拭い
その睨むような目に私はまた怖気付いてしまう
目が離れたと思ったら 胸元あたりまで服を捲り上げられて
今度はそのお腹にキスを落とされた
真下にテヒョンの頭が見えて
微かな音をさせて這う唇が 擽ったくて
思わず声が出てしまいそうになる
やっぱり熱い舌 … 、
確かテヒョンはこういうのを
あまり好んでいなかった
それなのにどこか様子がおかしいみたいだ
そして私は
テヒョンのするこの行為が
嫌いだった .












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!