思っていたより、すぐに決まった。
最初、陸人が皇輝の幼馴染だと聞いた時
戸惑いや苛立ちよりも先に、
羨ましいが勝った。
俺がいたから、皇輝は維さんと暮らすようになり、
俺は、皇輝のことを知ることなく、
過ごすことになった。
小学2年の時に見た1枚の写真。
あの写真がなかったら、
俺は皇輝のことを知らなかったんだ。
その事実があるから、
陸人は皇輝とずっといることができた。
陸人が皇輝のそばに居てくれたから、
俺は皇輝に出会うことができた。
俺が一緒に過ごせなかった時間を
陸人は過ごしてきたんだ。
きっと、陸人はまだ俺の知らない皇輝を知っている。
あの日も、ふたりが時々話すところを見る度に、
20年の差を感じてしまった。
いつまでもこの空白の20年は
きっと埋められないんだと思う。
だから、嫌だけど…
俺の知らない皇輝を知ってるのは
めちゃくちゃ嫌だけど……
陸人にしか聴けなかったんだ。
なんとなく、そんな予感はしていた。
一度ママに会わせた時に、
俺には見せないような顔をしていたから。
なんで、皇輝のこと
なんでも知ってるような言い方しないの?
俺よりも皇輝のことを陸人はわかってるはずなのに。
なんでお前はそんなに冷静で居られるんだよ。
ep.11 / Sedum
和名 : マンネングサ
花言葉 : 静穏、落ち着き、「私を思ってください」













編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。