ルエラは近くにあった本をレイズに見せる
その本には「生成方法について」と書いてあった
その初めには「生成について」と書いてあった
生成ついて
生成とは人工的に作られた精子と卵子を人の手によって受精させること
作られたものに親はいないことになる
培養槽のようなもので彼らは育てられ、好きなタイミングで出せる
※不完全な状態で出すことも可能
彼らはどう扱っても良い
彼らは「人」ではないからだ
作り方は下に...
ばさっッ
レイズが思いっきり本を閉じる
レイズの瞳には輝く涙が浮かんでいた
ルエラは優しく声をかける
冷たい廊下を歩いていくとたくさんドアがあった
ルエラはそのひとつを開けてみた
たくさんの縦長い黒い箱が置いてある
ルエラの身長と同じくらいのものもあれば
もっと低いもの、もっと高いものもある
端に番号が書いてある
ルエラは寂しそうな瞳をした
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!