ずっと、死にたいと思っていた。
でも自殺するのは怖くて、今まで精一杯生きてきた。
…そんな私に"仕方なく"死ぬ選択肢があったとしたら?
スマホを見ながら医者と話しているお母さんは、私について何一つ興味がない。
ただ今日は両親がいないと私が退院出来ないとの事だったので、たまたま来てくれた。
診断書を貰った後、そう一言だけ言って私たちは病院を出て電車で家に帰った。
この家はマンションの角部屋で、主な部屋がリビングと寝室しか無い格安物件だ。
ちなみに隣の部屋には、幼なじみのたらこが住んでいる。
自分の部屋なんて無いのでいつもリビングの床に寝っ転がっているが、親が居ると空気が重い。
少し息苦しく感じたので、私はスマホを持って部屋着のまま家を出た。
玄関のチャイムの鳴らさずにドアを開けるのも最初の方こそ何か言われていたものの、今では何も言われない。
そして、彼の両親も何故かこれを黙認してくれているので助かっている。
余命宣告なので後遺症よりももっと重い気もするが、別にそれを言う気は無いので話を逸らした。
私は常に金欠だから、ゲームを買うお金が無い。
なので、毎日のようにたらこの家でゲームをしている。
今日もまた、2人でやる対戦ゲームをしてみることになった。
私はゲームが下手だ。
それも、壊滅的なほどに。
ただ、私は学問の成績が良い。
高校は首席で入学したので、学費は免除された。
まぁ、入院中はほとんど勉強していなかったんですけど…。
そう言われてから、私はすぐにゲーム機を手放した。
私はそう言ってケラケラ笑いながら、たらこのテキストを取り出した。
教えるからには、絶対にたらこをクラス1位にしてやらないといけない。
…まぁ、学年1位は私は貰いますけど。












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。