第5話

3,沢山の貧血患者
393
2023/01/08 09:49
白雪 天
白雪 天
あらんっていう子の言うこと本当だったね、
30分くらい休んだらもうピンピンしてたよ。
笑玖保 にこ
笑玖保 にこ
本当に貧血なの……??
あの後適当に駄弁った後に、すっかり元気になったあらんは、

天とにこと七瀬にお礼を言って、忘れ物を取りに行った。
そのあと七瀬の家でゴロゴロする予定だったが、

どうやらランクマ中らしく二人とも追い出された。
そのあとどこに行こうか、住宅街の道を歩きながら喋っていると、

向こうの方から一名の人影が見える。
白く純白な看護服を纏って、杏色の尻尾をゆらゆらと揺らしている。
笑玖保 にこ
笑玖保 にこ
あ、歌風さんなの〜!
ただ、いつもは穏やかな口調でゆったり腰な歌風さん、

今日はどうにも慌てている様子で、自慢の服も着崩していた。
診助雨 歌風
診助雨 歌風
やぁやぁ、お二方さん……
笑玖保 にこ
笑玖保 にこ
すっごい息切れしてるの……大丈夫なの??
向こうから手を振りながら走ってきた歌風さんが、

私たちの目の前で止まって膝に手をつく。
慌てて背中をさする天に、歌風さんが

呼吸を乱しながら「かりがとう……」と小さく例を呟く。
白雪 天
白雪 天
なんでこんなに慌ててんの?
診助雨 歌風
診助雨 歌風
いやぁ…それがねぇ……





 *





笑玖保 にこ
笑玖保 にこ
えぇっ、貧血患者が大病院に大量搬入……!?
白雪 天
白雪 天
やば……
診助雨 歌風
診助雨 歌風
そうそう、それで病院関係者
全員総出っていうねぇ…………
歌風さんの言葉に、二人して声をあげて驚愕する。
なんとさっき貧血で倒れたのはあらんだけではなく、

他のところでも貧血でバタバタ倒れているらしい。
衝撃の出来事に呆然としていると、やっと落ち着いたのか

歌風さんが少し背伸びをして着崩した服を着直す。
診助雨 歌風
診助雨 歌風
それで、うちの病院で輸血パックが足りなくなってね…
緊急で献血募集してるけどそれでも足りなくて。
診助雨 歌風
診助雨 歌風
慌てて隣町まで分けてもらおうと走っていたところだよ
白雪 天
白雪 天
だからあんなに慌てて……
診助雨 歌風
診助雨 歌風
参っちゃうねぇ……
歌風さんが眉を下げて頭を掻く。
笑玖保 にこ
笑玖保 にこ
にこたちも手伝えること無いなの??
診助雨 歌風
診助雨 歌風
いや、それは大丈夫だよ。
子供の君達を巻き込むわけにもいかないし…
診助雨 歌風
診助雨 歌風
しっかし、こんなに一気に人が貧血になるなんて……
誰かが血抜きでもしてんじゃないのかね〜??
診助雨 歌風
診助雨 歌風
いやはや、最近の縁も物騒になったねぇ、
なんだっけ? たしか花園で騒動があったとかなかったとか……
その言葉に反応した二人が、「私たちは知らないなぁ」と

お茶を濁すようにへらへらと笑い合って言う。
そんな二人の様子に首を傾げたものの、

どうやら時間が無いらしく「立ち話もここまでにしよう」と歌風さんがいう。
再度走り出した歌風さんを見送って、

にこと天が以心伝心のように互いを見合って頷く。
笑玖保 にこ
笑玖保 にこ
それに歌風さん、にこ達のこと子供扱いしてたの……
白雪 天
白雪 天
ちょぉっとこれは許せませんなぁ……
そう呟いてまた見合い、二人の口角が上がる。
にやりと笑って、「よーっし!!」と天が片腕を太陽に伸ばし、

もう片方の腕で腰を押さえ、ビシッと決めポーズをする。
ふふん、と鼻を高くして、自慢げに言う天。
白雪 天
白雪 天
私たちの使命は、ずばり ''犯人探し '' !!
犯人を炙り出せばきっと褒められるし大人扱いを受けられる!!
白雪 天
白雪 天
いくよにこ、私たちで誰よりも先に犯人見つけよう!
笑玖保 にこ
笑玖保 にこ
えいえいおーなの!!
二人の和気藹々とした様子に、太陽がそれを味方するように、

日光が強くなって朝日が二人を包んだ

































笑玖保 にこ
笑玖保 にこ
って、証拠も何も無いの……()
白雪 天
白雪 天
……まずは地道に証拠集めか…………
社畜長
社畜長
アイコンつけました((
ただ表情筋は死んでる模様。
社畜長
社畜長
米美味しい、次から20個米こないと更新しないもんね((

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