…どのくらい走ったのだろう。
僕が家を出たのが夜の9時だったはずだ。感覚的にはもう1時間半くらい経ってるんだけどなぁ。どうも僕は時計感覚が狂っているっぽくて、気づいたらむちゃくちゃ時間が経ってるなんてことがしょっちゅうある。ああ、時計かスマホ持ってくればよかったな。道に迷ってないだけまだいいか。
そう言えば、燐那はどの公園にいるって言ってたんだっけ。ふれあい公園かちびっ子公園だったな。連絡見た時「遠っ」って思ったから多分ちびっ子公園だな。ふれあい公園はうちのすぐ近くだもん。それにちびっ子公園の方に向かってるし。あ、看板見えてきた。
…それじゃ、いっちょヒーローにでもなってみますか。燐那を守るのは、
守れるのは────────────
─────────────僕だけだ。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。