紫side___
「で、お前は一体何もんだ。誰に言われてここに来た?」
「.......え?」
誰に.......?
何を言ってるんだこの人
「あの、どういう意味ですか?誰に言われてって.......俺はただ森で___」
「森で怪我したところをたまたま通りかかったあいつが助けたってか?偶然にしては出来すぎてるだろうが!お前.......どう見ても普通の餓鬼じゃねぇだろ。お前は誰に言われてここに来た?城で見下してる屑どもか?それとも噂に目が眩んだ何処ぞの屑か?正直に吐けば楽に逝かせてやるよ」
そう言って腰に差している刀に手を掛ける
殺される___
抵抗しなきゃ.......抵抗.......
そうだ俺___生きてる意味.......もうないんだった。
男の人が刀を鞘から抜いた
死ぬ___
「その刀振り下ろしたら許しませんよ.......さとみくん」
「.......るぅと」
「へ?」
「大丈夫ですか?」
「なんだよお前忙しいんじゃなかったのか」
「そりゃ忙しいですよ。今日も仕事でここに来たんですよ。.......僕の大事な患者に何してるんですか」
「別に本気で殺そうとなんて思っちゃいねぇよ」
「そんなに殺気出して刀持ってたら誰だってそう思うでしょ?それに.......怪我人に刀を向けるなんて感心しませんね」
「でもこいつは___」
「関係ありません。彼が本当にジェル君を狙って来ていたとしても、怪我をしている時点で大事な患者なんです。早く刀をしまってください」
「.......チッ」
さとみさん?は納得していないような顔で刀をそっとさやに収めた
「あの.......ありがとうございます」
「いえいえ、僕は医者として当然の事をしたまでです。申し遅れましたね。僕はるうとと申します。」
「るうとさん?」
「はい!今日は君の怪我の様子を見に来たのですが.......まさかこんなことになっているとは。」
「疑わしいそいつが悪い」
「さとみ君はちょっと黙っててください!.......さて、今は彼に構っている暇はありませんね。一応僕も暇じゃありませんし。なにやってるんですか?部外者は部屋を出てください」
そう言って無理やり部屋からさとみさんを追い出した
「ふぅ…さて.......じゃあはじめましょうか」












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!