その数日後。
朝の訓練場。
幹部達はそれぞれ訓練を行っていた。
その中でも一際目立つのが、木刀を振るうシャオロンだった。
鋭い動き。
無駄のない足運び。
訓練兵達が感嘆の声を上げるほどの腕前である。
一方。
少し離れた場所ではショッピが射撃訓練をしていた。
パンッ。
パンッ。
パンッ。
全弾命中。
周囲の兵士達が静かに引いていた。
「相変わらず化け物やな……」
「聞こえてますよ。」
「すみません。」
そんなやり取りをしていると。
シャオロンが近付いてきた。
「ショッピ。」
「なんです。」
「模擬戦。」
「いいですよ。」
即答。
数分後。
模擬戦開始。
結果は――
引き分け。
二人とも傷一つなく終わった。
「相変わらず強いな。」
「シャオロンさんも。」
休憩のため木陰へ移動する。
しばらく沈黙。
風が吹く。
その時だった。
ショッピが何かに気付いたように顔を上げた。
「……。」
「なんや。」
「綺麗ですね。」
シャオロンは天を仰いだ。
(来た。)
ついに来た。
噂のやつ。
ショッピ本人だけが無自覚なやつ。
「俺の目やろ。」
「はい。」
「聞かんでも分かるわ。」
ショッピは首を傾げた。
シャオロンは諦めて聞く。
「で?」
「はい。」
「どう見えるんや。」
ショッピは迷わなかった。
「太陽。」
シャオロンが固まる。
「太陽?」
「はい。」
黄色の瞳。
光を受ける度に金色にも見えるその色。
ショッピは真っ直ぐ見ながら言った。
「暖かい色です。」
「……。」
「明るい。」
「……。」
「元気出ます。」
「……。」
「見てると安心する。」
シャオロンは何も言えなくなった。
昔から。
この黄色い瞳は嫌いだった。
目立つから。
変だと言われたから。
人とは違うから。
特に幼い頃は。
「猫みたい。」
「気味悪い。」
そう言われることも少なくなかった。
だからいつからか。
鏡を見る度に目を逸らすようになった。
しかし。
ショッピは違った。
太陽みたい。
暖かい。
安心する。
そんな言葉を向けてくる。
しかも本気で。
「……ショッピ。」
「はい。」
「お前さ。」
「はい。」
「人を照れさせる天才やろ。」
「?」
全く分かっていない。
シャオロンは苦笑した。
そして少しだけ。
本当に少しだけ。
自分の瞳を好きになれた気がした。
⸻
その夜。
恒例となった食堂報告会。
「で?」
グルッペンが聞く。
「言われたんか?」
「言われた。」
シャオロンが即答する。
「何て?」
トントンが身を乗り出す。
シャオロンはため息を吐いた。
「太陽やって。」
数秒後。
食堂に爆笑が響いた。
「ぶはっ!」
「太陽!?」
「めっちゃ分かるわ!」
「ショッピらしい!」
コネシマが机を叩いて笑っている。
鬱先生は腹を抱えている。
ショッピだけが不思議そうだった。
「そんな面白いですか?」
「面白いんやない。」
ロボロが笑いながら言う。
「ショッピが真顔で言うから破壊力あるんや。」
「?」
意味不明だった。
そして。
その横で。
一人の小柄な幹部が静かにスープを飲んでいた。
淡いピンク色の瞳。
ロボロ。
ゾムが肩を組む。
「次お前やな。」
「嫌や。」
即答。
「なんでや。」
「絶対恥ずかしい。」
「もう全員そう言うてたで。」
ロボロは頭を抱えた。
だが逃げられないことも理解していた。
なぜなら。
ショッピは必ず全員を褒めるからだ。
本人にその自覚は一切ないまま









![[参加型?]空の上で最後の遺言を、](https://novel-img-gcs.prepics-cdn.com/prcmnovel-tokyo-prod-converted-images/p/fLidrLhRSUUik4ZkTr7M83BhU0V2/cover/01KCTXMWS5RZ2WT40YN9XJ0C3Y_resized_240x340.jpg)


編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。