第5話

シャオロン
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2026/06/07 11:50 更新
その数日後。

朝の訓練場。

幹部達はそれぞれ訓練を行っていた。

その中でも一際目立つのが、木刀を振るうシャオロンだった。

鋭い動き。

無駄のない足運び。

訓練兵達が感嘆の声を上げるほどの腕前である。

一方。

少し離れた場所ではショッピが射撃訓練をしていた。

パンッ。

パンッ。

パンッ。

全弾命中。

周囲の兵士達が静かに引いていた。

「相変わらず化け物やな……」

「聞こえてますよ。」

「すみません。」

そんなやり取りをしていると。

シャオロンが近付いてきた。

「ショッピ。」

「なんです。」

「模擬戦。」

「いいですよ。」

即答。

数分後。

模擬戦開始。

結果は――

引き分け。

二人とも傷一つなく終わった。

「相変わらず強いな。」

「シャオロンさんも。」

休憩のため木陰へ移動する。

しばらく沈黙。

風が吹く。

その時だった。

ショッピが何かに気付いたように顔を上げた。

「……。」

「なんや。」

「綺麗ですね。」

シャオロンは天を仰いだ。

(来た。)

ついに来た。

噂のやつ。

ショッピ本人だけが無自覚なやつ。

「俺の目やろ。」

「はい。」

「聞かんでも分かるわ。」

ショッピは首を傾げた。

シャオロンは諦めて聞く。

「で?」

「はい。」

「どう見えるんや。」

ショッピは迷わなかった。

「太陽。」

シャオロンが固まる。

「太陽?」

「はい。」

黄色の瞳。

光を受ける度に金色にも見えるその色。

ショッピは真っ直ぐ見ながら言った。

「暖かい色です。」

「……。」

「明るい。」

「……。」

「元気出ます。」

「……。」

「見てると安心する。」

シャオロンは何も言えなくなった。

昔から。

この黄色い瞳は嫌いだった。

目立つから。

変だと言われたから。

人とは違うから。

特に幼い頃は。

「猫みたい。」

「気味悪い。」

そう言われることも少なくなかった。

だからいつからか。

鏡を見る度に目を逸らすようになった。

しかし。

ショッピは違った。

太陽みたい。

暖かい。

安心する。

そんな言葉を向けてくる。

しかも本気で。

「……ショッピ。」

「はい。」

「お前さ。」

「はい。」

「人を照れさせる天才やろ。」

「?」

全く分かっていない。

シャオロンは苦笑した。

そして少しだけ。

本当に少しだけ。

自分の瞳を好きになれた気がした。

⸻

その夜。

恒例となった食堂報告会。

「で?」

グルッペンが聞く。

「言われたんか?」

「言われた。」

シャオロンが即答する。

「何て?」

トントンが身を乗り出す。

シャオロンはため息を吐いた。

「太陽やって。」

数秒後。

食堂に爆笑が響いた。

「ぶはっ!」

「太陽!?」

「めっちゃ分かるわ!」

「ショッピらしい!」

コネシマが机を叩いて笑っている。

鬱先生は腹を抱えている。

ショッピだけが不思議そうだった。

「そんな面白いですか?」

「面白いんやない。」

ロボロが笑いながら言う。

「ショッピが真顔で言うから破壊力あるんや。」

「?」

意味不明だった。

そして。

その横で。

一人の小柄な幹部が静かにスープを飲んでいた。

淡いピンク色の瞳。

ロボロ。

ゾムが肩を組む。

「次お前やな。」

「嫌や。」

即答。

「なんでや。」

「絶対恥ずかしい。」

「もう全員そう言うてたで。」

ロボロは頭を抱えた。

だが逃げられないことも理解していた。

なぜなら。

ショッピは必ず全員を褒めるからだ。

本人にその自覚は一切ないまま

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